ホウロクイチゴ(焙烙苺)(バラ科キイチゴ属 常緑低木~つる性)

全国分布 本州(伊豆半島、紀伊半島以西)、四国、九州、沖縄
県内分布 島の海岸の林縁、林床に自生

   広島県での自生地は瀬戸内の島に限られるようですが、宮島には個体数が多い。
   野生のキイチゴの仲間では葉が最も大きく、肉厚で葉の表面にも鋭い刺があります。
   名前の由来:実の形あるいは葉の形が焙烙に似ていることから。焙烙鍋は浅い素焼きの土鍋。  


花 (2015/05/19 宮島)

 開花時期は5月下旬で、葉の腋に直径3cmの比較的大きな白い花が開きます。花弁のふちが波打つのも特徴的です。 ただ下向きに咲くので大きな葉に隠れて少し見つけにくいことがあります。

花 (2015/05/19 宮島)

 本種は宮島には多いのですが、上蒲刈島、倉橋島などの島ではきわめて稀で個体数も少なく、本土側ではほとんど見られません。 本土側には近縁のフユイチゴが多く自生しています。

 

実 (2015/06/30 宮島)

 梅雨の頃に直径2.5~3cmの球形で、5~8月に赤く熟した果実をつけます。果実は甘くて美味しい。

 

葉と若い実 (2015/06/30 宮島)

 葉身は8~17cmと常緑キイチゴ類の中で最大の葉で、全体的に丸い形をしていてます。 葉先は尖らず、不規則にごく浅く切れ込む形が大きな特徴で、葉の縁の鋸歯は鈍く不規則です。 裏面に毛が多く、葉の質が厚くごわごわしています。刺はまばらですが繊毛が密生しているので、触るとチクチクします。

 

葉 (2014/03/27 宮島)

全体 (2015/06/30 宮島)

 沿岸地域の林縁や林内に自生し、樹高は1.5m前後になり、枝は弓なりに曲がって伸び、地面を匍匐します。 厳島神社の神事として有名な御烏のついばむ団子は、本種の葉の上に載せて供せられます。 名前は、大きな葉を焙烙(ほうろく)に例えたとも、実の形に由来するとも言われています。