シデの仲間                  
  

      シデの仲間

     広島県に自生するシデの仲間4種の区別
      ーアカシデ、イヌシデ、クマシデ、サワシバー


    1)葉による区別
    ①アカシデ ②イヌシデ ③クマシデ ④サワシバ


アカシデ

イヌシデ

クマシデ

サワシバ

    ①アカシデ:葉の先はイヌシデより尾状に長く伸びていることがイヌシデとの区別点になります。
     側脈数は7~15対でクマシデやサワシバより少ない。葉身長はアカシデが最も小さい。
    ②イヌシデ:葉身長はアカシデの次に小さく、側脈数は12~16対と少ない。
    ③クマシデ:クマシデとサワシバがシデの中では葉身長が大きい。側脈数は15~24対あります。
     クマシデは細長い葉形なので他の3種との区別は容易です。
     葉はヒメヤシャブシに似ていますが、クマシデの方が薄い質感で色も薄く、葉身の基部が丸いか
     浅く湾入します。ヒメヤシャブシの葉身基部は丸くなく、くさび形です。
     葉の幅が最も広いのは、クマシデは葉身の中央ですが、ヒメヤシャブシは葉の基部近くです。
     クマシデには細かい重鋸歯がありますが、ヒメヤシャブシの重鋸歯は浅く小さい。
    ④サワシバ:葉は広卵形で、シデの仲間では唯一基部が明確な心形(ハート形)です。
     側脈数は15~24対でクマシデと同じです。葉の基部付近の側脈が葉の縁に向かい分岐します。
     イヌシデ、アカシデの果穂は1つの果穂につく種の数が少ないので、クマシデ、サワシバの
     ようにホップ形にならず、隙間のあるまばらにみえる果穂になります。
     北海道にあるシデ類はアカシデとサワシバのみです。


   2)樹皮による区別
    ①アカシデ ②イヌシデ ③クマシデ ④サワシバ


アカシデ

イヌシデ

クマシデ

サワシバ

    ①アカシデ:樹皮は暗い灰白色でイヌシデ同様滑らかで、綺麗な縦筋模様があります。
      樹皮の縦筋はイヌシデより細く縦のうねりがあり、老木になると縦の窪みがより目立ちます。
     アカシデは名前の通り、開花時期・若葉時期の春と紅葉時期の秋は木全体が赤っぽくなります。
    ②イヌシデ:樹皮は灰褐色で平滑。縦筋模様はアカシデより鮮明で、老木では樹皮は浅く裂ける。
    ③クマシデ:樹皮は黒褐色で平滑ではなく皮目が縦に連なった筋になる。
    ④サワシバ:樹皮は淡い褐色で菱形に浅く裂けるのが特徴的で、割れ目が目立ちます。