サクラの仲間

   広島県に自生するサクラとしてはヤマザクラ、オオヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、
   チョウジザクラ、キンキマメザクラの6種あります。

   チョウジザクラとキンキマメザクラの2種は県東部に稀に自生しています。(未観察)
   自生種の4種と県外種 オオシマザクラと植栽種 ソメイヨシノについて差別化してみました。


   ①ヤマザクラ ②オオヤマザクラ ③エドヒガン

    

ヤマザクラ

オオヤマザクラ

エドヒガン

   ①ヤマザクラ:花の萼筒はエドヒガン、ソメイヨシノの様な膨らみはなく、細長い鐘形です。
    大きな特徴として、花序に柄があるのでオオヤマザクラとの差別化に有用です。
    花の色は淡い紅色を帯びますが、オオヤマザクラに比べ明らかに白っぽい色の花を付けます。
    花の白と赤っぽい新葉のコントラストが綺麗です。
   ②オオヤマザクラ:葉の展開と同時に花を付ける点はヤマザクラと同じです。萼筒は鐘形です。
    ヤマザクラとの差別化点は花序に柄がないことです。
    花の色は紅色から淡紅色でヤマザクラより赤っぽく上品なピンク色で、花の大きさも少し大きい。
    東北地方の北部や北海道の代表的な野生の桜で中部地方や関東地方では標高800m以上に見られ、
    ヤマザクラやカスミザクラより高い所に自生します。
   ③エドヒガン:最大の特徴は萼筒が丸く膨らんでいることで、瓢箪のような形をしています。
    高知県ではこのことからエドヒガンのことを瓢箪桜と呼ぶことがあるそうです。
    花の色は淡いピンク色で稀に白色の花を付ける個体があります。エドヒガンの花柄は有毛です。

  

    ④カスミザクラ ⑤オオシマザクラ ⑥ソメイヨシノ


カスミザクラの花柄

オオシマザクラ

ソメイヨシノ

   ④カスミザクラ:最大の特徴は花柄に毛があることで、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、
    オオシマザクラは無毛です。花の色は通常白色で稀に淡いピンク色を帯びることもあります。
    通常ヤマザクラより標高の高い山に自生し、葉の展開と同時に花を付ける点はヤマザクラと同じ。
    萼筒は鐘形です。
   ⑤オオシマザクラ:広島県には自生しませんが、よく植栽されています。葉の展開と共に比較的
    大きな白い花を付け、花の白と新葉の緑のコントラストが綺麗。花序に柄があります。
    オオシマザクラの萼には鋸歯があるのが特徴です。萼に鋸歯を持つのは、このオオシマザクラと
    ソメイヨシノの2種です。他の種のサクラの萼には鋸歯はありません。
   ⑥ソメイヨシノ:エドヒガンとオオシマザクラとの雑種と考えられており、広く植栽されています。
    3~4月、葉の展開前に開花し、花の色は淡いピンク色です。花柄と萼は有毛で萼には鋸歯がある。
    花序に柄はない。萼筒は壺形で下部が膨らんでいますが、エドヒガンの様にくびれはありません。