・この4種の樹木は早春に黄色い花を付ける落葉性のクロモジ属で、
この仲間には上記4種の他にカナクギノキ、ヤマコウバシがあります。
・クロモジ自体の仲間は多く、広島県ではクロモジ、ウスゲクロモジが主に自生しています。
ウスゲクロモジはクロモジより葉が大きく寒冷地に自生していることで区別できます。
ヒメクロモジ、オオバクロモジ、ケクロモジも自生しますが広島県では稀に見られる種です。
1)葉による区別
クロモジ |
シロモジ |
ダンコウバイ |
アブラチャン |
①クロモジの葉は枝先に集まって付きます。枝は緑色で、古い枝ほど黒い模様が入ります。
葉の先は尖らず鈍いことが多い。アブラチャン、ヤマコウバシは葉先が尖っています。
葉の縁は全縁です。他の3種同様、秋に黄葉します。
②シロモジの葉はダンコウバイと同じように上部は3裂しますが、切れ込みのない葉も混じる。
切れ込んだ部分の形が丸く穴が開いたようになっているのが大きな特徴です。
クスノキ科の特徴でもある3脈が目立ちます。
③ダンコウバイの葉は上部が3裂しているものが多い。切れ込みのないハート形の葉も混じる。
切れ込みはシロモジほど深くない。葉の縁は全縁で、葉脈の3脈はシロモジほど目立ちません。
④アブラチャンの葉形は卵状楕円形で3脈はありません。葉の先は細く伸びてよく尖ります。
葉柄の基部が赤みを帯びており差別化に役立ちます。
2)花による区別
クロモジ |
シロモジ |
ダンコウバイ |
アブラチャン |
①クロモジは1つの花序に多数の花を散形状に花柄を少し曲げて下向きに付けます。
②シロモジは1つの花序に1~4個程度の花を付ける。花は花柄を曲げることなくまっすぐ付く。
③ダンコウバイは1つの花序に5~7個の花を付ける。ほとんど花柄がないのが大きな特長です。
④アブラチャンは1つの花序に3~5個程度の花を付けます。