・キイチゴの名前の由来は、文字通り「樹になるイチゴ」の意味からきています。
・キイチゴの仲間は広島県には19種類(除く、雑種の5種)あり、観察できたのは現在12種です。
フユイチゴ |
ミヤマフユイチゴ |
マルバフユイチゴ |
ホウロクイチゴ |
①フユイチゴ:葉は浅く3~5裂、または不分裂。表面は光沢があり葉先は丸く尖らない。
②ミヤマフユイチゴ:葉は3~5裂、稀に不分裂。葉の先が尖るのがフユイチゴとの違いです。
③マルバフユイチゴ:葉は不分裂で先端は丸く、全体の形も丸い。葉の表面に光沢はない。
④ホウロクイチゴ:葉は不規則に浅く3~5裂または不分裂。先は丸く不規則で粗い鋸歯がある。
クマイチゴ |
ナガバモミジイチゴ |
ニガイチゴ |
カジイチゴ |
⑤クマイチゴ:葉は浅く3~5裂し切れ込みがフユイチゴに比べて深い。稀に不分裂葉もある。
モミジイチゴに似ていますが、全体的に丸みがあります。
⑥ナガバモミジイチゴ:葉は通常3裂でモミジイチゴ類の中で葉身が細長い。不分裂葉も混る。
⑦ニガイイチゴ:葉は3裂または不分裂。モミジイチゴに似ているが全体的に無毛なのが特徴。
⑧カジイチゴ:葉は深く3~7裂し、表面は光沢が強い。全体に刺がないことが特徴で半常緑樹。
ビロードイチゴ |
クサイチゴ |
ナワシロイチゴ |
コジキイチゴ |
⑨ビロードイチゴ:葉は3裂または不分裂。表面は微毛に覆われビロード状の感触がします。
⑩クサイチゴ:奇数羽状複葉または3出複葉です。小葉は1~2対で、細かい重鋸歯があります。
⑪ナワシロイチゴ:通常は3出複葉で、稀に2対の羽状複葉がある。先端は丸く全体的に丸い。
⑫コジキイチゴ:奇数羽状複葉で小葉は1~4対あります。葉の縁には不揃いな重鋸歯がある。
枝や葉柄、葉軸に赤褐色の長い腺毛が多いことが特徴です。
フユイチゴ |
マルバフユイチゴ |
ホウロクイチゴ |
クマイチゴ |
①フユイチゴ:花期は9~10月。5~10個の白い花を付けます。花弁と萼片は同じ長さです。
②マルバフユイチゴ:フユという名前が付いていますが、春5~7月、枝先に白い花を付ける。
③ホウロクイチゴ:花期は4~6月で、葉腋に1~数個の白い花を付けます。花弁の縁は波打つ。
④クマイチゴ:花期は5~7月で、白い花を2~6個集まって付けます。
花弁が細く花弁と花弁の間に隙間があることが特徴です。
ナガバモミジイチゴ |
ニガイチゴ |
カジイチゴ |
クサイチゴ |
⑤ナガバモミジイチゴ:花期は4月で、白い花を葉腋から1個づつ下向きに付けます。
⑥ニガイイチゴ:花期は4~5月で、白い花を付けます。花弁はクマイチゴ以上に細長く、花弁
どうしが離れているのが特徴です。
⑦カジイチゴ:花期は4~5月で、白い花を上向きに付けます。
⑧クサイチゴ:花期は4~5月で、キイチゴの中では直径4cmの大きな白い花を付けます。
ナワシロイチゴ |
コジキイチゴ |
(全体)ナガバモミジイチゴ |
(全体)ニガイチゴ |
⑪ナワシロイチゴ:花期は5~6月で、枝先や葉腋に紅紫色の花を上向きに付けます。
キイチゴの花の色は通常白色ですが、ナワシロイチゴのみピンク色をしています。
⑩コジキイチゴ:花期は5~6月。白い花を横向きに付け、萼片が花弁より長く尾状に伸びる。
●(全体)ナガバモミジイチゴ
●(全体)ニガイチゴ
フユイチゴ |
ミヤマフユイチゴ |
カジイチゴ |
ホウロクイチゴ |
①フユイチゴ:11月~1月と冬に赤く熟す。②ミヤマフユイチゴ:11月~1月と冬に赤く熟す。
③カジイチゴ:5月頃黄色い実を付けます。④ホウロクイチゴ:5~8月頃に赤く熟します。
ナガバモミジイチゴ |
ビロードイチゴ |
クサイチゴ |
ナワシロイチゴ |
⑤ナガバモミジイチゴ:6~7月に橙黄色に熟す。⑥ビロードイチゴ:5~6月頃に黄赤色に熟す。
⑦クサイチゴは5~6月頃に実を付けます。⑧ナワシロイチゴ:苗代を作る6月頃に赤く熟す。
キイチゴの実は殆どが赤色ですが、ナガバモミジイチゴ、カジイチゴ、コジキイチゴは
オレンジ色です。キイチゴの実は全て食べることが出来ます。モミジイチゴが一番美味です。
(参考)ヘビイチゴはキイチゴ属ではなくキジムシロ属で美味ではありません。