ユクノキ(マメ科フジキ属 落葉高木)

                 
全国分布本州(群馬県以西)、四国、九州
県内分布備北・芸北山地、山間地の渓谷に自生
 

   中国山地の山間部に自生する樹のようで、花の時期は樹全体が白くなり綺麗です。
   個体数は多くなく、実際に観察できたのはまだ湯来温泉近くと吾妻山山麓のみです。
   名前の由来:樹冠を覆う白い花が雪をかぶったように見え、「雪の木」と呼ばれたことから。  


花 (2017/06/18 湯来町)

   花期は6月頃で、枝先に15~30cmの長い花序を出し、小さくて白いマメ科特有の蝶形花をたくさん付けます。 花は2~2.5cmで、旗弁は反り返ります。

花 (2017/06/18 湯来町)

 未観察ですが、果実は豆果で長さ6~9cmの線形で翼はほとんどありません。フジキの実には翼があり、この点も差別化の要点です。

葉 (2017/06/18 湯来町)

 葉は長さ10~20cmの奇数羽状複葉で、小葉は4から5対あり、互生します。葉の裏面は粉拍色で、鋸歯はなく全縁です。 フジキとよく似ていますが、小葉の側脈がユクノキに比べて少ない。また、フジキの葉の裏は淡緑色で粉拍色になりません。 葉の幅はフジキの方が少し広く、ユクノキの方が細長い形状をしています。 決定的な違いはフジキの小葉基部には托葉があり、ユクノキにはない点です。また、フジキの葉は縁が波打っていることが多いように思えます。

全体 (2018/06/25 吾妻山)

 樹高は15~20mになり、樹皮は灰褐色で若枝には褐色の綿毛が生えています。