ヤマイバラ(山茨)(バラ科バラ属 落葉低木)

                 
全国分布本州(中部地方南部・近畿地方以西)、四国、九州
県内分布瀬戸内の島から沿岸部、低山地域に自生
 
  

   山地に稀に見られるバラですが、宮島で観察できました。宮島は個体数が多いようです。
   野生のバラの中では花が大きいので存在感があり美しい。
   名前の由来:山に自生するイバラであることから。  


花 (2015/05/19 宮島)

 開花時期は5~6月で、枝先に多数の白い花を平らな円錐状に付けます。 花は直径5cmとノイバラ類の中では最大で、葉もノイバラの中では最も大きな葉を持っています。 ヤマイバラは通常山地に自生し、ヤブイバラが海岸から山地まで自生することで、海岸近くの宮島で見たことでかなり確定に迷いました。 しかし、托葉の形が異なることと葉の大きさの違いからヤマイバラであると確定できました。 この様に宮島には通常海岸近くには見られない樹木が結構見られる特異な場所です。例えばモミの木やヤマボウシなど。

花 (2015/05/19 宮島)

 山地に稀に生え、枝はつる性で扁平なとげがあります。大きなものではつるの直径が5cmに達し、高さは20m以上にのぼります。

実 (2015/11/06 宮島)

 果実は直径8~10mmの球形で、11月に赤く熟します。

葉 (2015/05/19 宮島)

 複葉の長さは11~15cmでノイバラの中で最も大きい。小葉は普通2~3対で少なく、長さは5~10cmの長い楕円形です。 頂小葉は側小葉よりやや大きい。葉の表面はやや光沢があり、葉先は長く伸び、鋸歯は鋭い。

 

托葉 (2015/11/06 宮島)

 托葉は幅が細くて、ほぼ全面が葉柄に合着しており、他のノイバラと区別しやすい。托葉は全縁(鋸歯がない)です。