全国分布 | 本州、四国、九州 |
県内分布 | 低山地域から中国山地に広く分布 |
開花時期は初夏の頃で、白い苞(葉の変化したもの)を4枚ずつつけて、梢一面が真っ白になります。 名前の由来は字の示す通りで、法師が頭に被っていた白い頭巾をヤマボウシの花に例えたものと思われます。 白く見えている花弁のようなものは、実際には葉が変化したもので総苞片と呼ばれるものです。 その総苞片4枚の中心に淡黄緑色の小さな花が多数密集して付いています。 ヤマボウシはハナミズキの近縁種で花や葉はよく似ています。
鈴が峰でヤマボウシを見つけました。ヤマボウシは通常中国山地などの標高がもっと高い地域に自生する樹なので、 おそらくこれは植栽されたものではないかと思います。ただし、宮島には海岸近くに自生が認められています。
山地の林内に自生し、樹高は5~10mになり、樹皮は所々鱗状に剥がれます。 山法師の自生地は通常ブナ林等がある比較的標高の高いところですが、広島近郊の低い山でも見かけることがあり、 本当に自生しているものなのかどうかは疑問です。ただ宮島では海岸線に自生していて大変珍しい自生地と言われています。
ヤマボウシの花は通常白色ですが、ピンク色の花を見かけることが時々あります。 街で見かけるピンク色の花は園芸品種と思われますが、山地で見られるピンク色のヤマボウシは突然変異種なのでしょうか。 このように白ではなくピンク色の花を付けるものが稀にあるそうで、ベニヤマボウシと呼ばれます。
果実は1から1.5cmの集合果で10月頃に赤く熟し、実は甘くて食すことが出来ます。
葉身長4~12cmのほぼ円形から卵形で、弧を描き綺麗に並んだ側脈がよく目立ちます。 葉は対生し、縁は全縁(鋸歯がない)で細かく波打っています。 ヤマボウシはハナミズキと同じミズキ科に属し、丸い形の葉に特徴的な側脈を持っています。 葉の形に合わせたように側脈が半円形に並んでいます。ハナミズキの葉はヤマボウシより細長い卵形をしています。
ヤマボウシとハナミズキは同じ時期に開花するので遠くからでは判別しにくい。 もちろんハナミズキは野山には自生してませんが、街中ではどちらもよく植樹されています。 木肌に違いがあるので区別可能です。ヤマボウシの木肌はなめらかですが、 ハナミズキはカキノキの様に網目状に細かく裂け目があり滑らかではありません。
黄葉も大変綺麗です。