全国分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 県内に広く自生 |
開花時期は個体によって様々で、宮島では早いものは12月から、遅いものは翌年の5月中旬まで咲いています。 枝先の葉腋に赤色の花を付けます。まれに淡紅色や白色の花も見られます。 花は直径5~7cmで、花弁は平開しません。雄しべは多数あり基部が筒状で、茶筅のように集まっているのが特徴です。
ツバキの花は、萼と共に基部から花全体が落ちてしまいますが、ツバキの仲間のサザンカは花弁から散っていきます。 ツバキは花全体が一気に落ちてしまうので、江戸時代では、斬首を連想させることから嫌われていたこともあるようです。 ツバキが花全体が木部から落ちる理由は、花弁、雄しべ、萼の全てが基部で合着しているからです。
果実は直径4~5cmの球形の蒴果で、緑色に熟します。果皮が厚く、熟すと3裂して種子を2~3個出します。 種子から椿油が採れます。
葉身長5~10cmのやや広い楕円形で、先端は鋭く尖ります。縁には細かい鋸歯が多数並んでいます。 葉は互生します。質は革質で硬くて厚みがあり光沢が強いことが特徴です。
沿岸地域から山地の照葉樹林内に生え、大きいものは樹高10~15mになります。 ツバキの名の由来も多くあるようですが、漢字の通り「春に花が咲く」が最適な由来と思います。 他の由来として、「艶葉木:つやのある葉を持つ木」、「厚葉木:厚い葉を持つ木」、「津葉木:光沢のある葉の木」など、 その他にもあるようです。椿の花はまだ他に咲いている花が少ない中で綺麗な赤色をしていて目立ちますが、弱点はサザンカ類同様、 チャドクガ(毛虫)が大変付きやすいことです。
花が白色のものを「シロヤブツバキ(白藪椿)」といい、稀に四国、九州に自生しています。 この古鷹山の白いツバキはおそらく植栽されたものと思います。