全国分布 | 本州(福島県以西)、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 瀬戸内の島から低山地域の林内に自生 |
開花時期は6~7月で、葉の腋に散形花序を出し、淡い黄色の小さな花をまばらにつけます。
果実は長さ葯1.5cmの楕円形で、11~12月に黒く熟します。 葉をちぎって香りをかぐと、ニッケイのようなすっきりとした香りを楽しめます。 果実もシナモンのような香りがします。
ヤブニッケイもシロダモも共に葉の表面には主脈と2本の側脈の3本がはっきりと観られます。この3本の葉脈はクスノキ科の特徴で3脈と呼ばれています。 また、クスノキ科の葉の大きな特徴の一つは葉の縁に鋸歯と呼ばれるギザギザがないことです(全縁とよびます)。 さらに葉の表面に光沢があるのもクスノキ科の特徴です。ヤブニッケイの葉をちぎるとよい香りがします。
シロダモは秋に実と花を同時に付けているのでこの点が確認できれば差別化は容易です。
葉の付き方にも特徴があり、コクサギ型葉序と呼ばれる葉の付き方をしています。 コクサギ型葉序というのは枝に対して葉が片方に2枚ずつ付くことです。 通常、葉の付き方は枝に対して交互あるいは対になって付くことが多い。 葉は3脈が目立ち、2本の支脈は葉の先まで達せず途中で消失しています。
葉がシロダモによく似ているので当初は区別するのが困難でした。 この写真の二枚の葉は左がヤブニッケイの葉の裏で、右がシロダモの葉の裏です。 ヤブニッケイの葉とシロダモの葉はどちらもクスノキ科の樹木で葉には3行脈が目立つことから間違えやすい。 しかし、この写真の様にシロダモの葉の裏は粉拍色で白っぽいので葉の裏を確認すれば区別可能です。 また、典型的なヤブニッケイの葉の表面はつやがあって、しかも枝に対して同方向に二枚づつ葉が付くので区別が可能です。 ただし、シロダモの葉は、互生と対生が入り混じていることもあるので注意が必要です。一般的にシロダモの葉は大きくなるので、 特に大きな葉が付いていればシロダモです。
生育地としては山地のシイ林やタブノキ林に多い。西日本では個体数が多く広島市近隣の野山でも多く見かけます。
沿岸地域から低山の林内や林縁に生え、樹高は10~20mになります。樹皮は灰褐色でなめらかです。