ヤブムラサキ(藪紫)(シソ科ヤブムラサキ属 落葉低木 雌雄同株)

                 
全国分布宮城県以西
県内分布瀬戸内の島から中国山地まで広く自生
  

   広島市近郊の野山に普通に自生し、個体数は多い。
   ムラサキシキブの仲間で、美しい紫色の実を付けます。枝や葉に毛が多い事が特徴です。
   名前の由来:ムラサキシキブの仲間で、葉がよく茂って薮のようになることから。  


花 (2015/0519 宮島)

 開花時期は6~7月で、葉の腋に集散花序を出して、淡い紫色の小さな花を2~10個つけます。 1つの花序に付く花の数は少ないのですが、花の色は鮮やかです。 花はムラサキシキブと似ていますが、萼のあたりに綿毛のような柔らかそうな毛が生えているので、識別することができます。

花 (2015/05/26 田方)

 花はムラサキシキブに似ていますが、葉、枝、花序など木全体にふわふわした毛が多いことが大きな違いです。

蕾 (2014/05/20 茶臼山)

 広島市近郊の野山、里山にもよく見かけます。

実 (2017/10/17 茶臼山)

 果実は直径約4mmの球形で、綺麗な紫色に熟します。果実の下部には毛が密生した萼片があります。

実 (2014/10/17 三段峡)

 実の回りや葉にも毛が多く密生しているのがこの写真でもよくわかります。 ヤブムラサキの実は他のムラサキシキブの仲間に比べて大粒ですが数が少ない。

葉 (2017/06/18 三段峡)

 葉身長5~10cmの楕円形の葉で、対生し、葉先の半分に小さいのですが明瞭な鋸歯があります。 葉の表面には微毛が密生して、裏面には星状毛が多く、触るとビロード状のような感触がします。 このことから直ぐにヤブムラサキであることがわかります。

全体 (2013/10/30 呉娑々宇山)

 明るい林内や林縁に多く自生し、樹高は2~3mになります。 ヤブムラサキは葉の中に錦イオンを蓄積する性質があり、その量によって地価の金鉱脈量にほぼ比例するとのことで、ヤブムラサキの葉を 微量分析にかけ、葉の中に含まれる金イオンの量を測定したり、金鉱脈の有無を判定できるとのことです。