全国分布 | 北海道、本州、四国、九州、南千島 |
県内分布 | 低山地域から中国山地に自生 |
花期は5~6月で、雌雄異株です。雌花、雄花ともに葉腋から総状花序をだし、黄緑色のごく小さな花を多数つけます。 花弁は5枚で反り返り平開します。雌しべの花柱は先で3裂します。
雄花の花弁も反り返り平開します。雄しべは5個あります。
実は径6mmほどの扁形球で、8~9月に黄褐色に熟します。実の表面には縦に皺の様な筋があり、刺のような毛が散生しています。 沿岸部には見られず、南原峡、極楽寺山、神之瀬峡など少し山地深い場所に見られます。
ツタウルシの紅葉は本当に鮮やかな赤で、遠くからもよく目立ち見事です。 ツタかツタウルシか見分けるには、ツルを目でたどってみて同じツルから出ている葉がすべて3枚かどうかを観察すると良い。 ツタの葉は単葉で、ツタウルシの葉は3出複葉です。全て3枚であればツタウルシです。 このほか、ツタはブドウの仲間で、落葉時に葉(葉身)の部分だけが落ちて柄(葉柄)がかなり遅くまで残っていることが多い。
ツタウルシは山野の林内によく自生していますが、他の樹木だけでなく大きな岩などにも付着根ではりついています。 ツタウルシは枝のように中空に突き出すことが多いがツタは樹木などにへばりついて中空に突き出すことはありません。 名前の由来はツタに似たウルシという意味から付けられました。
葉は3出複葉で、小葉は卵形または楕円形です。表面は光沢があり、葉脈が凹むので大きな皺があるように見えます。 つる性の木本植物で三出複葉は少ないですが、葉形には変化があります。樹幹上部の花をつける枝では葉は大型で全縁ですが、 地面を這う幼い枝の葉は小型で鋸歯があり、ツタの幼形葉と似ています。 枝葉をちぎると白い樹液が出て、触れるとかぶれます。ツタウルシによるかぶれは、ウルシの仲間では最も強いので注意が必要です。 ツタウルシなどのウルシ科の植物は枝や葉を切ると白い液が出てくることや、ツタウルシの葉は表面に光沢があり、 側脈が明瞭なのに比べ、ツタの葉には毛があり光沢がなく、側脈が不規則であまり明瞭でないことなどの違いがある。 これらのことを頭に入れ総合的に判断すれば見分けることができる。
ツタとツタウルシは、成木の葉を見ると簡単に見分けることができます。ツタの葉は単葉で、ツタウルシの葉は3出複葉です。 しかし、ツタの若木の葉はツタウルシのように3枚に分かれることがあります。 また、通常ウルシの葉の縁には鋸歯がありませんが、幼葉にははっきりとした欠刻状の鋸歯がありツタの葉に似ています。 この若木の葉どうしは非常によく似ており、植物にかなり詳しい人でもなかなか見分けがつかないようです。