ツガ(トガ)(栂)(マツ科ツガ属 常緑高木)

                   
全国分布本州(福島県八溝山以西)、四国、九州(屋久島まで)
県内分布中国山地、特にに西部に多く、東部では稀
 

   主に西部の中国山地に自生しますが、宮島にもツガが自生しており、宮島の特異な植生です。
   小さい球果を下向きに付けるのがこの木の特徴です。モミは球果を上向きに付けます。
   名前の由来:長い葉と短い葉が2列に並ぶ様子を「つがう木(組み合わせる木)」と表現。  


実 (2015/01/08 宮島)

 実は小型の球果で、熟すと果柄は大きく曲がり下向きにつきます。 ツガの球果はコメツガより大きく、ツガの果柄は曲がりが大きいのですが、ツコメツガの果柄はツガほど曲がっていません。 開花時期は4~6月で、雄花は長卵形で薄茶色、雌花は前年枝の先に付き紫色を帯びています。 特に県西部に多く、東部では稀です。宮島の弥山原始林の中核はツガ林で、また海岸近くの大元公園にも自生しています。

葉 (2015/05/07 宮島)

 葉は長さが不揃いなのが特徴で、7~25mmと長短の差が大きい。 葉の基部の枝に葉沈と呼ばれる膨らみがあり、葉先は丸くわずかに凹み、モミのように針状に尖ることはありません。

葉 (2018/03/29 宮島)

 葉の色は黄緑に近い色で、モミやシラビソなどの青みを帯びた緑色とは異なります。 葉の裏面は白い2本の気孔帯が目立っています。

新芽 (2015/05/07 宮島)

樹皮 (2014/03/27 宮島)

 樹皮は赤褐色または灰褐色で、不規則に深く裂けて落ちます。

全体 (2019/04/18 三段峡)

 本州中部では標高1600m以上になるとツガに変わってコメツガがみられます。樹高は普通20~25mになりますが、大木では40mに達します。 ツガとコメツガはよく似ていますが、植生場所が違うので自生している場所で区別できます。 また、枝裏の毛の有無で区別できます。ツガは無毛ですが、コメツガには短毛があります。 ツガはモミと混生することが多い。