ツブラジイ(円ら椎)(別名:コジイ)(ブナ科シイ属 常緑高木)

                   
全国分布本州(関東地方南部以西)、四国、九州
県内分布主に瀬戸内の島および沿岸部、稀に内陸部にも自生
 

   ツブラジイは広島市近郊の山に多く自生していますが、スダジイは植栽からの逸出で自生は少ない。
   花の時期にはたくさんの雄花が垂れ下がっているのを遠くからでも見かけます。
   名前の由来:スダジイに比べて堅果が丸いことから、円らな実をつける椎の意味。  


雄花(2020/05/09 古田台)

 花期は5月下旬から6月で、花は強い香りを発し、虫を呼び寄せます。雄花の花序は多数の雄花を付けて垂れ下がり、遠方からもよく判ります。

雌花&雄花(2020/06/04 大野権現山)

 雌花の花序は雄花序より枝の先に付きます。雄花序の様に垂れ下がらることはありません。雄花に囲まれて真ん中から上に伸びているのが雌花です。

花(2017/05/11 経小屋山)

 無数の花が咲き誇り、樹全体を覆い尽くしています。シイの花は周囲に強い匂いを発散させます。

実 (2013/11/02 大野権現山)

 ツブラジイの実は円形に近く、長さ0.6~1.3cmの球形で、スダジイより小さくスダジイより丸みがあり、区別できます。 ツブラジイの名は、果実が丸くて小さくつぶらな瞳に似ていることから「円ら椎」と付けられました。

樹皮 (2015/10/15 柚木城山)

   樹皮は老木でも裂けずなめらかです。一方、スダジイの樹皮は大木になると縦に深く裂け目ができます。 この樹皮の違いが大きな差別化点になります。

葉 (2017/03/30 柚木城山)

 葉はスダジイより薄く、細い傾向がある。鋸歯は、スダジイと同様、全縁のものと上半分に鈍い鋸歯があるものがあります。

葉 (2013/05/23 武田山)

 葉は互生し、枝に対して2列に並ぶので、羽状複葉と間違いやすい。成葉はスダジイより質が薄く手触りで判別できます。

全体(2015/10/15 柚木城山)

 日本列島西南部の極相林の主体を成す樹種です。暖地の山地に生え、高さ約25mになります。