全国分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
県内分布 | 中国山地の渓谷に自生 |
開花時期は5月頃で、雌雄同株、雌雄異花ですが、枝先に大きな白色の円錐花序を直立し、雄花と両性花を付けます。 殆どが雄花で両性花は花序の下部に付きます。
トチノキの蜜は美味なので多くの昆虫が集まってきます。しかし、受粉が終了するとトチノキは花の色が変化し、 昆虫たちに蜜の終了を知らせる仕組みになっているようです。
トチノキは三段峡等渓谷沿いに多く見られますが、花を付ける樹は大抵樹高が高いので目近に花を観察することが困難なのが残念です。 フランスのパリの街には街路樹としてマロニエ(セイヨウトチノキ)が植えられています。 また、日本では赤い花を付けるベニバナトチノキが街路樹として平和大通りなどに植えられています。
果実は直径約4cmの円錐形の蒴果で、9月に熟します。熟した後、3裂して1から2個のクリに似た光沢のある大きな種子を出します。 種子は赤褐色をしていてクリに似ています。
種子はあくを抜いて橡餅の材料として、花はミツバチの蜜源として重要です。
葉は日本産広葉樹最大の掌状複葉で、対生します。小葉は7枚、時に5枚や9枚のものがあり、中央の小葉が最も大きく、葉身長13~30cmになります。 小葉の形はヘラ型で先の方が広く基部になるにしたがって細くなります。鋸歯は単鋸歯で目立たず、やや波状になっています。小葉には葉柄はありません。 同様の掌状複葉を持つコシアブラは互生で小葉に葉柄があり区別できます。また、ベニバナトチノキは鋸歯が重鋸歯なので区別できます。
トチノキの葉はホオノキの葉に似ていますが、トチノキには鋸歯があり、ホオノキには鋸歯がありません。 また、トチノキの小葉は大きさが異なりますが、ホオノキは単葉で大きさは同じです。
山地の谷沿いにサワグルミなどと自生し、大きいものは樹高35mの大木になります。
トチノキの葉は大変大きな葉で、同じような場所に自生していて、やはり大変大きな葉を持つホオノキと似ていて間違いやすい。 ただ、よく観察すれば、トチノキの葉は掌葉と呼ばれる手のように見える葉で、5枚の葉の大きさが同じではありません。 一方、ホオノキの葉はトチノキと同じような掌葉状になっているように見えますが葉の大きさが全て同じです。