トサムラサキ(土佐紫)(シソ科ムラサキシキブ属)

                 
全国分布本州(和歌山県、広島県)、四国、九州
県内分布広島県では宮島にのみ自生
 

   広島県では宮島にしか自生していませんが、宮島には、比較的個体数も多い。
   ムラサキシキブ同様綺麗な実を付けますが、トサムラサキの実は淡い鮮やかな紫色です。
   名前の由来:高地県で採取されたものが他のムラサキシキブ類と違うことから。  


花 (2015/07/18 宮島)

 開花時期は7~9月で、葉の腋に集散花序をだし、淡いピンク色の小さな花を多数つけます。 宮島のものは花が白く,シロバナトサムラサキに該当する可能性があるとのことです。

花 (2015/07/18 宮島)

 この木は西日本の沿海地に自生しますが、大変珍しい木で、広島県では宮島以外では見かけることはできませんし、高知県でもめったに見られないそうです。 海岸から丘陵の林縁に自生しますが、宮島では谷筋のやや湿った所に生育し、個体数も多く、樹高は1~2mになります。

実 (2015/11/06 宮島)

 果実は約2mmの球形で、晩秋に熟し、紅色がかった紫色で本属の中では最も鮮やかだと思います。 鮮やかな紫色の果実をびっしりと枝に付けます。学名をカリカルハ・シコキアナといい「四国産の美しい果実」という意味だそうです。

葉 (2015/07/18 宮島)

 葉身長4~12cmの長楕円形で、細長い形をしています。葉は対生し、縁には不揃いな粗い鋸歯ですが葉の基部近くまであります。 葉はムラサキシキブより細く小型で、コムラサキより葉先が長く尾状に伸びています。 トサムラサキの葉には粗い毛があり、触るとざらついた感じがします。 一方ムラサキシキブの葉は無毛で、鋸歯が目立ちやや波を打つ感じがあります。 また、トサムラサキの枝は上へ向かって伸びています。