トベラ(トベラ科トベラ属 雌雄異株)

                 
全国分布本州、四国、九州、沖縄
県内分布瀬戸内の島および沿岸部に自生
 

   島および沿岸部に自生し、似島で多く見かけました。また街路樹として植栽されています。
   白い花はジンチョウゲに似ており、カボチャの様な形の実はシキミに似ています。
   名前の由来:樹木全体に臭気があり、 節分に魔よけのために枝を門扉に挿したことから。  


花 (2012/05/12 市街)

 開花時期は4~6月で、本年枝の先に集散花序をだし、芳香のある白い花を上向きに多数付けます。 雌雄別株です。雄花と雌花はよく似ていますが、葯の発達状況で区別できます。 雄花では葯に黄色い花粉がたくさん付いていますが、雌花では葯が未発達で花粉が付いていません。 沿海地に多く見られる樹で花は清々しい香りがします。花は初め白色で古くなるとクリーム色になります。

花 (2012/05/12 市街)

 海岸地域の低木林や林縁に自生し、樹高は2~3mになります。 本種はシカが好んで食べるので宮島にはきわめて少なく、シカが寄り付けないような海岸の断崖にわずかに生育しています。

葉 (2015/06/06 静岡県 熱海)

 葉身長5~10cmの卵形で、葉の先は丸く基部は葉柄に流れ、全体の形としてヘラのような形態です。 葉は互生しますが枝先に輪生状に集まって付きます。葉の縁は裏に巻くことが多く、全縁(鋸歯がない)です。 葉の縁が裏に巻くことが大きな特徴です。

 

実 (2014/05/16 市街)

 実はカボチャのような形をした直径1~1.5cmの球形で、11~12月に熟します。熟した実はシキミの実と似ています。 実は熟すと3つに裂け、赤い粘った種子を出します。

実 (2017/12/03 似島)

 熟すと実が弾けて中から真っ赤な種子が飛び出てきますが、この時が最もよく目立つ時期です。

実の殻 (2015/01/25 山口県 周南市 大津山)

 名前の由来:枝や葉の臭気が鬼除けに効果があるということで、節分にトベラの枝を戸口に挿して疫鬼を追い払った風習から、 「扉の木」「扉」と呼ばれるようになったと言われています。