テイカカズラ(定家葛)(キョウチクトウ科テイカカズラ属 落葉つる性)

                 
全国分布本州、四国、九州
県内分布瀬戸内の島から中国山地の渓谷まで広く自生
 

   広島市近郊の野山に普通に自生していて、他の樹に絡み付いているつる性の樹です。
   風車の様な形の花とその花からは想像もつかない長い円柱状の実を付けるます。
   名前の由来:鎌倉時代の歌人の藤原定家に由来。  


花 (2012/06/02 柚木山)

 開花時期は5月中旬から6月下旬で、葉腋に集散花序をだし白い花を多数付けます。 花は白い5枚の花弁が風車のように捻じれて付いています。 花には芳香があり、咲き始めは白色ですが徐々に黄色味を帯びてきます。

花 (2013/05/22 市街)

 沿岸地域から低山の林縁や林内に自生し、枝から気根を出し、高木にも登ります。中国山地の高所には見られません。 名前の由来は藤原定家の名をとったといわれています。

実 (2014/11/27 絵下山)

   果実は長さ20cmにもなる長い線形の袋果で、弓状になって2個ずつ吊り下げます。 果実はさやえんどうをさらに細長くした感じです。

 

種 (2015/01/25 山口県 大津山)

 果実は赤茶色に熟し、縦に裂けて白い絹毛状の冠毛を付けた種子を多数飛ばします。 細長い鞘がはじけたところで、長い綿毛を付けた種が鞘の中から飛び出そうとしています。

種 (2015/01/25 山口県 大津山)

 種子は長くて白い毛(冠毛)を付けており、この毛によって風で遠方まで散布されます。

葉 (2014/09/30 宮島)

 葉は対生で、葉身長3~7cmの先端が尖った楕円形をしています。葉の縁は全縁で、表面は光沢のある革質で濃い緑色をしています。 常緑性ですが古い葉は順次真っ赤に紅葉して散ります。葉の裏の葉脈が特徴的な網目模様をしています。

若葉 (2014/11/27 絵下山)

 テイカカズラの樹液は有害なので触らないよう注意が必要です。

幼葉 (2015/02/03 鈴ヶ峰)

 林床や地面を這う幼葉は葉身長1~2cmと小形で、縁には波状の鋸歯があります。 また、写真の様に葉脈に斑が入り、葉脈部分が白く目立ちます。

全体 (2015/05/24 大分県)

 大きな樹に絡み付いて樹の上部まで這い登っています。

参考 ハツユキカズラ (2015/05/03 自宅)

 これは栽培品種のハツユキカズラで、花も葉もテイカカズラと非常によく似ています。