タチヤナギ(立柳)(ヤナギ科ヤナギ属 落葉低木~小高木)

                   
全国分布北海道、本州、四国
県内分布低山地域の大きな河川に自生
 

  広島市近郊に自生する高木のヤナギは、タチヤナギとオオタチヤナギ、マルバヤナギの3種。
  タチヤナギは河川の下流域に見られ、葉の形と新葉の色などで、上記3種の区別ができます。
  名前の由来:枝が上向きに伸び木の姿がまっすぐに立ち上がって見えるから。


蕾と芽吹き (2014/03/23 八幡)

 開花時期は3~6月で、葉の展開と同時に長さ3~6cmの尾状花序を付けます。 雌雄別株で、雄花には3本の雄しべがあることが、本種の大きな特徴ですが、この写真ではまだ十分開花しておらず、雄しべを見ることが出来ません。 雄花序は黄色く雌花序は黄緑色なので遠くからでも識別できます。 果実は蒴果で、5月に成熟して2裂して白い毛に包まれた種子をだします。

若葉 (2013/05/26 八幡)

 葉は互生し、縁には細鋸歯があります。葉身長は6~15cmの披針形~長楕円状披針形の細長い形をししており、 ほぼ中央で葉の幅が最大となり葉先は短く尖ります。但しオノエヤナギ程細長くありません。 若葉では根元の方から半分が赤いのがこのヤナギの特徴であり、この写真でもその特徴がよくわかります。 葉の裏は真っ白ではなく、縁はオノエヤナギやカワヤナギなどの様に裏側に巻くことはありません。 また、葉も枝も無毛である点で、カワヤナギやネコヤナギなどと区別できます。

全体 (2013/05/26 八幡)

 都市化していない川の中下流域で普通に見られるヤナギの代表種です。樹皮は灰褐色で、不規則に剥がれます。 根元の方から幹が多く分かれているのがこの種の特徴で、水辺にしばしば群生し、樹高は10~15mになります。