タラヨウ(多羅葉)(モチノキ科モチノキ属 常緑高木)

                   
全国分布本州(静岡県以西)、四国、九州
県内分布瀬戸内の島から低山地域にかけて自生

 

   近郊の山や宮島など瀬戸内の島にも自生しています。牛田山では多く見かけました。
   葉が大きめで肉厚なのが特徴で、真っ赤な実をたくさん付ける時期はよく目立ちます。
   名前の由来:インドで葉に経文を書いた多羅樹同様、葉に文字を書くことができることから。  


雌花 (2012/05/10 市街)

 開花時期は4~5月で、葉腋に淡黄緑色の小さな花を密に付ける。雌雄別株で、雌花には半球形の雌しべと退化した雄しべが4個ある。 花弁と萼片は4~5枚です。花弁は楕円形で長さ約4mmで、萼片は卵円形をしています。

雄花 (2012/05/10 市街)

 雄花には完全な雄しべ4個と退化した雌しべがあります。

葉 (2012/05/10 市街)

 葉身長10~17cmの楕円形で、大きな葉です。葉に質は革質で厚く表面は光沢があります。 縁にはノコギリのように鋭い鋸歯があり、互生します。葉の裏は葉脈が見えません。 先の尖った枝などで字を書くと、少し時間がたてばタンニンの作用により黒く変色してきて、書いた文字がはっきり浮き出てきます。 この点がタラヨウの大きな特徴です。
タラヨウの名前の由来もこれに関連していて、インドに自生するヤシ科の貝多羅樹(ばいたらじゅ)もタラヨウと同じように葉の裏に字を書く ことが出来お経を書いていたそうです。

実 (2014/01/18 市街)

 果実は直径6~8mmの球形で、11月に赤く熟します。果柄が短く多くの実が密集して付きます。

実 (2014/12/10 兵庫県 宝塚)

若い実 (2015/07/11 三倉岳)

全体 (2014/11/11 山口県 長門峡)

 渓谷や岩の多いところに自生し、樹高は20mほどになります。 葉の裏面を傷つけると字が書けることから、郵便局の木として定められており、東京中央郵便局の前などにも植樹されている。