タニウツギ(谷空木)(スイカズラ科タニウツギ属 落葉低木)

                   
全国分布北海道(西南部)、本州(主に日本海側)
県内分布低山地域から中国山地の高所にまで自生

 

   中国山地に多く自生するウツギで、広島市近隣の山では見られません。
   ピンク色の花が鮮やかでウツギの中でも特に綺麗です。
   名前の由来:谷に自生する空木ということ。枝の中心は中空ではなく、髄が詰まっています。  


花 (2014/06/14 大山)

 開花時期は5~7月で、本年枝の先端や葉腋から散房花序をだし、ピンク色の花を2~3個ずつ付けます。 比婆山や道後山などの風衝低木林の代表種で、花の時には美しい。 花の色は外面の方が内面より色が濃い。

花 (2016/06/12 支笏湖)

 開花時期が田植えシーズンと重なる地域では、田植え花とか、早乙女花などと呼び、田植え時期の目安としている地域もあります。

全体 (2011/06/06 大分県 九重)

 日本海側の多雪地帯に多く分布する種で、広島県はほぼ南限に近く、県東部に多い傾向があります。 林縁や低木林など日当たりが良い場所に自生し、樹高は2~5mになります。 近年、道路のり面の植栽として用いられています。

蕾 (2018/05/03 久地)

葉 (2013/10/07 青森県 奥入瀬)

 葉身長4~10cmの卵形に葉で、縁に細かい鋸歯があり、対生します。 葉の表面はほとんど毛がありませんが、裏面には毛が密生していることで同属他種と区別できます。

実 (2017/07/30 吾妻山)

 実は長さ約2cmの円柱状の蒴果で、10月頃熟します。

実 (2018/06/24 吾妻山)

 成熟すると先端が2裂して、細かい種子を多数出します。蒴果は次年まで残ります。

樹皮 (2018/05/03 久地)