タイミンタチバナ(大明橘)
         (サクラソウ科ツルマンリョウ属 常緑小高木 雌雄異株)

                   
全国分布本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄
県内分布瀬戸内の島から沿岸部に自生

 

   瀬戸内の島から沿岸部に自生していますが、宮島以外ではまだ見かけたことがありません。
   花は小さくて目立ちませんが、花芽や若い実が淡いピンク色を呈し目を引きます。
   名前の由来:明国産のタチバナ(マンリョウ属)を意味し、中国原産と思われたことから。  


雄花 (2013/04/27 宮島)

 開花時期は3~4月で、前年の葉腋に淡い緑白色の小さな花を束生します。 雌雄異株です。雄花の花糸はごく短く、大きな葯が目立ち、雌しべは退化しています。(雌花は未観察) 花弁の外面や内面の上部は赤みを帯びているため、花弁の開く前の蕾は赤っぽく見えます。

雄花 (2013/04/27 宮島)

 海岸から丘陵の社叢などの常緑広葉樹林や海岸のアカマツ林、トベラ-マサキ林などに自生し、樹高は5~7mになります。 西日本の海岸近くの樹林でよく見られます。樹皮は灰褐色で皮目があります。

蕾 (2018/03/29 宮島)

 蕾はピンク色を帯びていて目立ちます。

実 (2018/03/29 宮島)

 果実は直径5~7mmの球形で、10月頃黒紫色に熟し翌年の春まで枝に残っています。

実と蕾 (2018/03/29 宮島)

 実は翌年の春まで残っているため、この写真のように熟くした黒い実と桃色を帯びた蕾が同時期に付いています。

若い実 (2015/06/30 宮島)

若い実 (2015/06/30 宮島)

 赤みを帯びた若い実も見られました。

葉 (2014/03/27 宮島)

 葉身長5~12cmの披針形の細長い形の葉で、キョウチクトウの葉に似ていて、縁は全縁です。革質で表面は光沢があります。 葉は互生し、縁は全縁です。細長い葉が枝先に集まって付くので、ミミズバイ、ヤマモモ、イヌマキ、キョウチクトウなどと 間違いやすい。葉表は側脈がほとんど見えず、葉裏も主脈以外の葉脈は見えません。葉柄はしばしば赤みを帯びています。