タブノキ(椨の木)(クスノキ科タブノキ属 常緑高木)

                   
全国分布本州、四国、九州、沖縄
県内分布瀬戸内の島から沿岸部に自生

 

   街路樹として見かけることが多いのですが、広島市近郊の山に多く自生しています。
   早春の赤い芽吹き、黄色の花序、透明感のある白い花弁、熟す前の艶のある緑の実、
   実が落ちた後の赤い果柄等、四季を通じて楽しめる樹木です。
   名前の由来:朝鮮語のトンバイ(独木舟)に使われた木が転訛した説。諸説あり。  


花 (2016/04/22 古江)

 開花時期は5~6月で、本年の新葉が出てくるのに先立って、丸い頂芽から枝分かれした花序が伸びて、直径1cmほどの黄緑色の小さい花が咲きます。

花 (2012/04/16 古江)

 花弁はわずかに緑色がかっていますが、この写真の様に白くて透き通っていて綺麗です。

実 (2014/07/01 市街)

 果実は直径約1cmの球形で、花被が残り、7~8月に黒紫色に熟しますが、多くは緑色の時点で落下してしまいます。 緑色の時点では艶があって大変綺麗です。実はクスノキ属のように果床に包まれていず、 花被片が実を取り巻いていることも大きな特徴です。

赤い果柄 (2014/07/08 市街)

 実が落ちた後の果柄が綺麗な赤色をしているのが特徴で、非常に眼に付きます。

葉 (2018/03/25 古江)

 葉は全縁で互生し、先寄りで幅広くなり、枝先に集まって付くことが特徴です。葉の裏は白っぽい。 葉の大きさに変異があり、若木の日陰では大きく、成木の日なたでは小さい傾向があります。

若葉の展開 (2019/04/27 鈴ヶ峰)

 若葉が一斉に萌え出てきたところです。この頃のタブは紅茶色の若葉がよく目につきます。

若葉の展開 (2019/04/27 鈴ヶ峰)

 若葉の展開も綺麗です。

全体 (2012/04/10 市街)

 タブノキは典型的な西日本分布型の樹木で、暖温帯の海岸から低山の照葉樹林にも多く生え、樹高は30mに達する高木もあります。

樹皮 (2017/12/14 鬼が城山)

 タブの樹皮は小さな皮目がたくさんあって独特の雰囲気を持っています。比較的覚えやすい樹です。