スギ(杉、椙)(ヒノキ科スギ属 常緑高木)

                   
全国分布本州、四国、九州(屋久島まで)
県内分布中国山地のブナ林に点在して自生
 

   多くは植林されたものですが、樹齢千年を超す自生の大木が広島県でも各地にあります。
   湯来町東郷山の北斜面、恵下谷山には「四本杉」と名付けられた自生の大木があります。
   名前の由来:真っ直ぐに高く伸びる木「直ぐ木=すぐき」から。 


 

雄花 (2015/03/17 極楽寺山)

 雌雄同株で花期は3~4月です。雄花は前年枝の先に淡黄色で5~8mm楕円形の花を多数付け、花粉を飛ばします。

雌花 (2017/10/26 八幡峡)

 雌花は前年枝の先に1個ずつ下向きに付き、緑色で直径2~3cmの球形です。雌花は1年後に黄色くなり果鱗を開いて種を出します。

実 (2013/01/01 柚木山)

 実は長さ2~3cmの卵状球形の球果で、10月頃熟成します。

実 (2014/09/26 極楽寺山)

 日本では樹木のほとんどが人工林で、国土総面積の1/8を占め、さらにその人工林の44%がスギであるといわれています。 建築資材や線香の材料などに重要な樹木でした。しかし近年は樹木は安価な輸入に頼ったため、全国のスギやヒノキは放擲されたままです。

葉 (2014/06/29 佐賀県 鳥栖)

 葉は普通長さ1cm前後の鎌形で、枝にらせん状につきます。枯れると小枝ごと落ちます。スギの葉は冬になると赤褐色となりますが、春になるとまた緑色になります。

全体 (2016/07/17 熊本県 南小国町)

 スギは日本特産で、各地に広く自生し、また有用樹種として最も多く植林されています。 スギの木は日本では最も大きく、長寿の木といわれ、屋久島には樹齢3000年を超えるものがあり、屋久杉として知られています。 スギには、太平洋側に多い表スギと雪深い日本海側に多い裏スギの2つのタイプがあります。

全体 (2016/07/17 熊本県 南小国町)

 手入れされず放置されたままの植林のスギ林が多くあり、貯水能力が少ないため大雨時の土砂災害が懸念されます。 スギの樹はどこの山でも目にしますが、殆どが人工林で、植林されたものです。日本での人口植林面積はスギが最大です。 スギの林は人の手入れが行き届くと明るい林となり、林内にコクサギ、ウリノキ、バイカウツギ等の低木が見られ、草本類も多く育ちます。 気を付けて観察してないので、スギ林内で上記の樹に出会ったことはありません。

樹皮 (2016/07/17 熊本県 南小国町)

 名前の由来は「まっすぐに育つ木」、「すくすく育つ木」から付けられたようです。