全国分布 | 本州、四国、九州、南西諸島 |
県内分布 | 瀬戸内の島及び沿岸部に自生 |
花と実を同じ時期に付けるユニークな樹です。ただし、雌雄異株なので実を付けているのは雌株だけです。 開花時期は10月下旬から11月上旬で、小さい黄色の花を散形状に集まってたくさん付けます。 果実も花の時期と同じで昨年の花の実を赤く熟します。実は長さ1.2~1.5cmの楕円形です。
雌花には4枚の花弁が付いているのが判ると思います。また、先の白い雌しべの柱頭がこの写真で確認できます。
雄花がたくさんついていますが、接写できていないので、この写真からはおしべの数などは確認しにくいと思います。 退化した雌しべの柱頭はわかると思います。沿岸地域から低山地域の林内や林縁に生え、樹高は大きくなると10mを超えますが、普通は数mの高さです。
たくさんの赤い実とともに、わかりにくいですが、この写真では下の方に白い花を付けています。 西日本に多い樹木で、広島市近郊の山にも結構個体数が多くよく見かけます。常緑広葉樹の中で最も耐寒性の強い樹種だそうです。
まだ花が咲いていませんが、この写真の中央の枝の上の方に花芽が付いているのが見えます。
葉身長8~18cmの比較的大方の葉で、縁は全縁で互生します。 クスノキ科でよくみられるように、三行脈が目立ち、ヤブニッケイとよく似ていて間違いやすい葉です。 ヤブニッケイとの違いは、葉の大きさがシロダモの方が大きいことと、シロダモでは3脈以外に葉の中心付近の主脈から 目立つ側脈が出ることです。
名前に由来は、このように葉の裏が白いことから付けられたようです。 ウラジロノキという名前のバラ科に属する樹がありますが、この木の葉の裏も真っ白なので覚えやすい樹です。
シロダモのもう一つの特徴は、春にでてくる若葉が黄金色に輝き、枝の先から下向きに葉が垂れるように付いている姿が特徴的ですぐに眼に付きます。 新枝も黄褐色の絹毛に覆われています。
常緑ですが、葉の寿命はクスノキと同様に、1年が原則かと思われます。新葉の表面には黄褐色の毛が密生していますが、やがて無毛となります。 古い葉では裏があまり白くないので生育の悪い個体はヤブニッケイと区別しにくい。