全国分布 | 本州(近畿、中国地方)、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 沿岸地域と瀬戸内の島に自生 |
シイやカシの仲間は普通春に開花しますが、シリブカガシは9月頃にその年に伸びた若枝に花を付けます。 堅果は1年かけて熟すため、花と実(ドングリ)を秋の同じ時期に付けているのが最大の特徴です。 本年枝の先端あるいは腋から総状花序を伸ばします。雄花序は長さ4~10cmで多数付け、雌花序は長さ8~12cmで花序の先端から1本付けます。
主として山地の谷から山腹に生育し、風当たりの強い尾根筋にはあまり生育しません。 高さ約15mになります。
尻深樫の意味で殻斗をとってみると、通常ドングリはどれもお尻が出張っていますが、 このシリブカガシは反対に凹んでいます。これが最大の特徴であり、名の由来です。
カシという名がついていますが、カシの仲間(コナラ属)ではなく、マテバシイの仲間です。
葉は互生し、全縁または上部にわずかに鋸歯があります。葉の表面は側脈が凹んでいて凸凹が目立つので皺があるように見えます。 葉の裏は金色~銀色を帯びています。側脈数が6~7と少なく、マテバシイの側脈は12~13と多い。 本年枝には黄褐色の短毛が密生しています。
樹皮は暗褐色でなめらかです。