シナノキ(科の木、級の木)(アオイ科シナノキ属 落葉高木)

                   
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布中国山地に自生
 

   菩提樹の仲間で、花序の下にヘラのような苞が付き、葉はハート形で特徴的です。
   中国山地に自生する樹木で、広島市近郊の山には自生しません。八幡湿原で観察できました。
   名前の由来:「シナ」とはアイヌ語の「結ぶ、縛る」という意味で縄や布に利用された。


花芽 (2019/07/15 八幡湿原)

 開花時期は6~7月で、葉腋から集散花序を下向きにだし、淡黄色の花を開きます。 花序の柄には長さ3~6cmの細長いヘラ形の総苞葉が1個つくのが大きな特徴です。総苞葉は果序と一緒に落ち、種子散布を助けます。 果実は直径約1cmの球形で、10月頃熟します。

全体 (2019/07/15 八幡湿原)

 中国山地、特にブナ林域に多く自生しますが、時に吉備高原面にも見られ、樹高は15~20m、大きいものは30mに達します。 尾根から渓流沿いまで山地の様々な環境で見られます。 中国山地で古くから行われた「たたら製鉄」の祭神は金尾子神社ですが、そこには大きなシナノキが見られます。

葉 (2019/07/15 八幡湿原)

 葉身長4~10cmのゆがんだハート形で、しばしば左右非対称となり、葉身基部は湾入します。葉は互生し、縁に浅くて鋭い鋸歯があります。 葉先は尾状に伸びて尖っています。

新緑 (2018/05/17 八幡湿原)

 

樹皮 (2018/05/17 八幡湿原)

 樹皮は灰褐色で縦に浅く裂けます。