ジャケツイバラ(蛇結茨)(マメ科ジャケツイバラ属 落葉つる性)

                   
全国分布本州(山形県、福島県以西)、四国、九州、沖縄
県内分布瀬戸内の島、沿岸部から低山地域にかけて分布

 

   瀬戸内近隣の野山に見かけることが出来ますが、それほど個体数は多くありません。
   鮮やかな黄色の花を総状にたくさん咲かせるつる性の樹で、高い樹にも登ります。
   名前の由来:つる性の枝が絡み合う様を蛇が絡む姿に見立てたことから。  


花 (2014/05/15 大野権現山)

 花期は5~6月で、長さ20~30cmの大きな総状花序を付け枝先から立ち上がるので、鮮やかな黄色の花がよく目立ちます。 花弁は5枚で、上側の1枚だけがやや小さく赤い筋があります。 つる性の植物なので高木の上部に花を咲かせていることもあれば、沢の近くの低木に絡み付いていることもあります。

花 (2015/05/09 出雲弥山)

 つる性の植物としては黄色の大変鮮やかな美しい花をたくさん付けるので目を奪われます。

葉 (2015/09/12 大野権現山)

 この樹はマメ科で、葉は2回偶数羽状複葉という珍しい葉序の葉を持っています。 この特徴を覚えれば花期以外の時期でも見つけられると思います。 小葉は整った小判形で、葉柄、葉軸、枝などに著しく鋭い逆向きの刺があります。

実 (2015/06/23 大野権現山)

 果実も7~10cmと長くて大きいので実を付けていれば気付くと思います。 実は花が終わった後、大きな鞘を付け、冬でも残っています。

種 (2015/09/12 大野権現山)

 10~11月に褐色に熟したのち2つに裂開して種子を出します。ただし、種子は有害で注意が必要です。

群落 (2015/05/09 出雲弥山)

 島根県出雲弥山という山の中腹にジャケツイバラの群落に出会いました。 鮮やかな黄色の花を枝から直立させて総状花序を付けるので山を下りてから地上からもこの群落をよく確認できました。 中国山地の高所には見られません。森林の伐採跡や川岸、林縁、岩場、原野など攪乱を受けた環境に自生します。