サワグルミ(沢胡桃)(クルミ科サワグルミ属 落葉高木 雌雄同種)

 
                   
全国分布北海道(渡島半島)、本州、四国、九州
県内分布低山地域から中国山地の渓谷に自生
 
 

   名前の通り渓谷の沢沿いに多く自生し、比較的大きな葉で新緑は美しい。
   サワグルミの実は食べることが出来ません。花や実は数珠の様に連なってぶら下がります。
   名前の由来:沢沿いに生えるクルミ科の木から。  


雌花序 (2018/05/10 三段峡)

 雌雄同株で、花は5月頃開花します。この写真は雌花序で、雌花序は10~20cmの長さで本年枝の先から垂れ下がって付きます。 雌花の花柱は2裂して反り返り、柱頭は赤色で大きく表面には小さな突起が多くあります。 (未撮影ですが)雄花序は長さ5~10cmで雌花序より短く、新しく伸びた枝の基部から数個垂れ下がり、淡黄緑色の雄花を多数付けます。

雌花序 (2018/05/10 三段峡)

葉 (2015/06/16 三段峡)

 葉は長さ20~30cmの大形の奇数羽状複葉ですが、オニグルミよりやや小型で、小葉もやや細く、互生します。 樹皮は暗灰色で、成木では縦に長く裂け、老木になると剥がれます。

葉 (2015/06/16 三段峡)

 小葉は長さ5~12cmの長楕円形で、ほとんど無柄です。先端は尖り、縁には鋭くて細かい鋸歯があります。 鋸歯は細かいですが、オニグルミより鋭いのが差別化点です。

 

果穂 (2016/09/25 冠山)

 果穂は長さ30~40cmで、堅果がたくさん付きます。堅果は長さ約8cmで、7~8月に熟し、2個の小苞が大きな翼状になって残ります。

 

実 (2016/09/25 冠山)

 花の後、雌花序は伸びて長さ20~30cmの長い果穂になります。

新緑 (2015/06/16 三段峡)

 山地の谷沿いに自生し、トチノキ、カツラ、オヒョウ、シオジ、ヤチダモなどと共に河畔林を形成します。サワグルミはトチノキと共にブナ林域の渓谷林の代表です。 オニグルミが平地に多いことと対照的です。樹高は30mくらいの高木になります。同種のシナサワグルミは街路樹として植えられており、葉軸に翼があります。

新緑 (2015/06/16 三段峡)

 葉に展開は他の樹木より早く、落葉も早い。