サンショウ(山椒)(ミカン科サンショウ属 落葉低木 雌雄異株)

 
                   
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布瀬戸内の島から中国山地まで広く自生
 
 

   広島市近郊のどの山にも自生しており、ところによっては個体数も多い。
   黄色の小さな花は可愛いのですが、鋭い刺が多いので取り扱いには注意が必要です。
   名前の由来:「椒」の字には芳しい・辛味の意があり、山の薫り高い辛味の実であるから。  


花 (2015/04/08 古江)

 開花時期はは4~5月で、雌花、雄花共に枝先に円錐花序を出し、淡い黄緑色の小さな花を多数開きます。 サンショウは雌雄別株で、雌株の自生は専門書によれば少ないそうです。 しかし、山歩きしていてサンショウの実を見ることが結構多いので、書籍に記載されているほど雌株が少ないという印象はありません。

花 (2013/04/11 古江)

 明るい林内や林縁に自生し、樹高は2~4mになります。

 

実 (2014/09/15 東京 立石)

 果実は直径5mmほどの球形で、9~10月に赤褐色に熟し、裂開して光沢のある種子を出します。

 

若い実 (2018/10/14 吾妻山)

 まだ未熟な実で、これから熟して赤くなります。若い果実は実山椒と呼んで佃煮にされ食されます。

葉 (2017/05/01 古江)

 葉は小形の奇数羽状複葉で、鋸歯や葉先は凹む形をしています。小葉は5~9対あり、葉身長1~3.5cmの小さい葉です。 軸には、わずかに翼があります。若い葉にはしばしば小葉の中央に黄緑色の斑が入ってます。 イヌザンショウとの差別化点は、葉の形に違いがあることで、サンショウの葉はイヌザンショウの葉ほど細長くはないことと、 葉の縁の鋸歯がサンショウは波状になっていますが、イヌザンショウの鋸歯は波状ではなく、細かくて鈍い鋸歯をしている点です。 若葉は木の芽と呼ばれ、和え物や田楽に利用されます。

刺 (2015/04/08 古江)

 サンショウにもいくつかの仲間があり、広島県に自生するサンショウは、サンショウの他にイヌザンショウ、フユザンショウ、カラスザンショウの4種が知られています。 このうちサンショウとイヌザンショウはよく似ているので区別点を覚える必要があります。 最も特徴的な差別化点は、枝にある刺の生え方が異なることで、サンショウの刺は対生に付いており、イヌザンショウの刺は互生に付いている点です。 どの本にもこのように解説されていますが実際には刺の生え方はすべて一定ではなく区別に困ることもあります。