全国分布 | 本州(関東地方、福井県以西)、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 瀬戸内の島および沿岸地に自生 |
開花時期は9~10月で、新枝の葉腋に総状の花序を付け、白色の花を多数開きます。花序の下には葉は付きません。 1つの花序に10~30個の花がつきますが、花には花弁も萼もありません。雌しべが5~10個車輪状に並びその周りに多数の雄しべが付きます。
常緑のリンボクはバラ科ですがサクラ属ではなくリンボク科に属します。 総状花序を付けることからウワミズザクラに近い種です。花期が秋の10月というのが珍しい。 花はバクチノキ(未観察)とよく似ていますが、樹皮が剥がれない点、葉が全縁ではなく、バクチノキの半分程度の大きさなどから区別できます。
この写真の実はまだ緑色をした若い実です。
果実は約1mmの卵形で翌年の5~6月に黒く熟します。
葉は互生し、葉先は長く突き出ていて、表面は光沢があります。幼木の葉は刺状の鋸歯があり、ウラジロガシの葉に似ているので見分けやすい。 成木ほど全縁(鋸歯がない)の葉が増え、葉の先に少し鋸歯のある葉もよく混じり、縁は波打つ。葉の表面は光沢がある。
新緑の葉は特に光沢が目立ち、目映いくらいです。 新緑の頃の葉は当然表面に光沢があって光って見えますが、冬の時期でも表面の光沢が目立ちます。
常緑樹ですがこの様に冬に落葉し、茶色っぽくなった葉の表面も光沢があるので慣れるとリンボクの葉であることが分かります。
桜に近い種ですので、この写真のように樹皮は黒くて皮目が横並びになる点がサクラに似ています。
山地の谷間などの照葉樹林内などに自生し、広島市近郊の山にも見られます。 ただし、個体数が多くないので見過ごしてしまっていることが多いと思います。 これまで極楽寺山、武田山、柚木城山、牛田山で見かけました。宮島には比較的多く自生しているとのことです。