ノリウツギ(糊空木)(アジサイ科アジサイ属 落葉低木)

全国分布 北海道、本州、四国、九州
県内分布 低山地域から中国山地に分布

   広島市近郊の低い山には自生しません。八幡湿原には大変個体数が多い。
   名称はウツギとついていますがウツギの仲間ではなく、アジサイの仲間です。
   名前の由来: 樹液を 和紙をすく際の糊に利用したことから。  


花 (2016/07/15 九重)

 開花時期は7~8月で、枝先に長さ8~30cmの円錐花序をだし、小さな両性花多数とその周囲に白い装飾花を付けます。 広島県のアジサイ属としては、もっとも花期が遅く7月下旬です。

花 (2016/07/15 九重)

 山地の林縁や低木林などの明るい場所に自生し、樹高2~4mになります。湿原の周辺や谷沿いなどに多く自生しています。  (極楽寺山、南原峡、臥竜山など)

 

蕾 (2012/06/17 九重)

葉 (2019/07/15 九重)

 葉身長5~15cmの楕円形の葉で、縁には浅く鋭い鋸歯があります。  葉はヤマアジサイやタニウツギ類に似るていますが、葉柄が長くて赤みを帯びることが特徴です。

実 (2015/03/17 極楽寺山)

 果実は4~5mmの楕円形で、9~11月に熟します。先端には花柱が残っています。 枯れた装飾花の萼片は果実が熟す頃まで紅色を帯びて残っています。

樹皮 (2012/06/17 九重)

 枝を水に浸して内皮からぬめりのある粘液を取り、和紙を漉くときの糊料に使われました。 名前の由来はここから付けられました。

群落 (2016/07/15 九重)

 九重にはノリウツギが大変多く自生しています。広島県では八幡湿原に多く自生しています。