ネズミモチ(鼠黐)(モクセイ科イボタノキ属 常緑小高木)

全国分布 中部地方以南の本州、四国、九州の主に太平洋側
県内分布 主に瀬戸内の島から沿岸部に自生

   広島市近郊の山にも自生して個体数も多い。
   葉は対生で厚みがあり、秋に楕円形の黒い実をたくさん付けます。
   名前の由来:実がネズミの糞に似ていて、葉がモチノキに似ていることから。  


花 (2014/06/02 市街)

 開花時期は5月の終わりごろから6月いっぱいで、枝先に円錐状の花序をつけ、白色の花を多数付けます。 イボタノキの花とよく似ていますが、イボタノキの雄しべはネズミモチの花の様に雄しべが花冠の外に出ません。 また、ネズミモチは花筒と花冠の裂片の長さが同じくらいですが、イボタノキは花筒が長く花冠の裂片の2倍あります。

花 (2014/06/02 市街)

 モチという名がついていますがモチノキ科の樹木ではなく、モクセイ科の樹木です。

 

蕾 (2014/06/02 市街)

 本種に似たトウネズミモチが、近年公園や自動車道沿面によく植栽されています。 ネズミモチより葉と花が大形であり、花期が遅い点で区別できます。 また、オオバイボタの園芸品種が県内各地に植栽され、とくに生け垣に用いられています。 沿岸地域から丘陵の常緑樹林内に自生し、樹高は6~8mになります。

実 (2014/12/19 鈴が峯)

 秋に1cm弱の楕円形で黒く熟した果実をたくさん付けます。名前の由来は、この果実がネズミの糞に似ていることから付きました。

葉 (2014/03/27 宮島)

 葉身長4~8cmの楕円形で、質は厚くて光沢があります。縁は全縁で、対生します。 ネズミモチの葉は、表から透かして見ると主脈が透けて見えますが、裏面から透かすと側脈は見えません。 一方、トウネズミモチの葉は、表から透かしても裏面から透かしても、主脈、側脈とも透けて見えます。 特に裏面から透かすと明瞭に脈が透けて見えます。トウネズミモチに比べると表面の光沢がないのが区別点でもあります。

樹皮 (2018/03/29 宮島)