ネズ(ネズミサシ)(鼠刺し)(ヒノキ科ビャクシン属 常緑小高木 雌雄異株)

全国分布 本州、四国、九州
県内分布 瀬戸内の島から山間地のアカマツ林中に自生

   広島市近郊の低い山にも普通に自生しています。
   別名はネズミサシと呼ばれますが、その名のごとく葉が針の様に鋭いので注意が必要です。
   名前の由来:先が鋭く尖った葉が輪生し、この尖った葉でネズミの害を予防したことから。  


雄花 (2018/04/12 クマン岳)

 開花時期は4~5月頃で、雌雄別株です。雄花は長さ4~5mmの楕円形で黄褐色です。(未観察ですが)雌花は緑色で3個の鱗があります。

雄花 (2018/04/12 クマン岳)

実 (2014/04/07 クマン岳)

 果実は球形で頭に三つの出っ張りがあります。割ってみると中には三つの種子が入っています。 黒紫色に熟した果実は独特なヤニ臭さはあるものの甘くて美味しい。

実 (2013/06/22 柚木山)

 果実はヤニ臭さがあるのですが、このヤニ臭さは果実に含まれる油成分に由来するもので、ジンの香りはこれです。 ジンは大麦、じゃがいも、ライ麦などを原料として造られる蒸留酒で、蒸留される際にネズの実(ジュニパーベリー)や、 ボタニカルと呼ばれる薬草成分を加えて造られます。元々はオランダで薬用酒として造られ、ジン独特の鋭い切れ味や口内に 広がる香りは、それら薬草成分由来のものです。

 

葉 (2014/05/03 宮島)

 針葉樹にふさわしい細くて硬い針のような葉で、先は尖っており触ると痛い。長さは1~2.5cmです。 葉はスギに似ていますが、直線的な細長い葉が三輪生することが大きな特徴で見分けやすい。 ハイネズ同様、葉の表に溝があり、白い気孔帯が1本あるのも特徴です。

樹皮 (2014/03/27 宮島)

 樹皮は灰褐色で縦に裂けてはがれます。

全体 (2014/04/07 クマン岳)

 日当たりのよい丘陵や花崗岩地などに生え、高さ1m、直径1mになります。