ネムノキ(合歓の木)(マメ科ネムノキ属 落葉高木)

全国分布 本州、四国、九州、沖縄
県内分布 瀬戸内の島・沿岸地域から低山地域に自生

   広島市近郊の野山だけでなく山地の河畔や道端などに見られます。
   真夏に綿毛のような赤い花を咲かせます。夜に閉じる葉は名前の由来で、最大の特徴です。
   名前の由来:夜になると葉が合わさって閉じて(就眠運動)眠るように見えることから。


花 (2013/06/28 白木山)

 開花時期は6~7月で、枝先に淡い赤色の花が10~20個集まって咲きます。花は夕方に開きます。 花弁は中ほどまで合着し、漏斗状をしています。雄しべは多数あり、花の外に長く突き出てよく目立ちます。

全体 (2013/06/28 白木山)

 林縁や原野、川沿いなどに多く自生し、樹高は6~10mになります。樹皮にはイボ状の皮目があります。

 

蕾 (2015/06/23 大野権現山)

 

葉 (2015/06/23 大野権現山)

 葉は長さ20~30cmの2回偶数羽状複葉で、7~12対の羽片が対生します。羽片には15~30対の小葉が対生します。 このような葉を持つ本州産樹木は、ジャケツイバラと本種だけなので見分けやすい。 ただし、メラノキシロンアカシアの幼葉が本種に似ています。 ネムノキの葉の縁は全縁(鋸歯がない)で、小葉は包丁のような形で先が尖ります。 頂小葉がないことも特徴です。葉脈が葉に中心ではなく縁の方に偏っている点が面白い特徴です。

 

葉 (2011/06/14 平和通)

 最も特徴的なのは、名前の通り日暮れになると、葉の中に光センサーがあり小葉がゆっくりと閉じて垂れ下がることです。 完全に閉じるまで1時間かかります。ネムノキは草本類のオジギソウと違って、手で触っても葉が寝ることはありません。 花は葉の就眠運動と逆に、夕方開いて翌日にはしぼみます。 就眠運動は、葉枕と呼ばれる羽片や小葉の付け根の膨れた部分の働きで起きます。

実 (2015/09/05 茶臼山)

 果実は長さ10~13cmの広線形の豆果で、10~12月に褐色に熟します。中には10~15個の種子が入っています。