ナワシロイチゴ(バラ科キイチゴ属 落葉低木)

全国分布 日本全土
県内分布 瀬戸内の島および沿岸部から低山地域に自生

   近郊の野山に自生しているキイチゴで、クサイチゴ、フユイチゴの次によく目にします。
   充分に開かないピンク色の花弁が特徴で、イチゴの花でピンク色はナワシロイチゴのみです。
   名前の由来:苗代をつくる頃に実が熟すから。  


花 (2014/05/15 大野権現山)

 開花時期は5~6月で、枝先や葉の腋から集散花序をだし、花弁のように見える白色の萼だけが開き、ピンクの花弁は開くことはありません。 キイチゴとしては唯一ピンク色の花を上向きに付けます。 この白とピンクのコントラストが可愛らしい花です。閉じたピンク色の花弁の中央から淡い黄色の雄しべの柱頭を突き出しています。

花 (2014/05/15 大野権現山)

 林縁や草地、道端など明るい場所に普通に自生し、身近に最もよく見られるキイチゴの1つです。 落葉小低木ですが、茎は長く伸びて長さ1m以上になり、枝はつる状に伸びて這います。 樹高は30cm前後になり、全国に普通に見られるキイチゴです。

 

実 (2014/07/02 田方)

 果実は直径約1.5cmの球形で、6月の苗代の頃に赤く熟し、食べられます。

 

実 (2014/07/02 田方)

 実は酸っぱくて美味しくはありませんが、光沢のある綺麗な赤い色をしていて目立ちます。

 

葉 (2017/10/14 鬼が城山)

 葉は、小形の3出複葉で、互生します。3出複葉が普通ですが、中には5枚の小葉を付けた葉も混ざっています。 葉の裏は白く、先が丸いことで他のキイチゴ種と区別できます。ただし、葉の形に変異が多く注意が必要です。 頂小葉は幅広の楕円形、菱形、3裂するものなどがあり、徒長枝では羽状複葉や大型の葉も現れます。 小葉は全体的に丸い形で、葉の縁には粗い重鋸歯があります。キイチゴの葉としては特徴的で覚えやすいと思います。