全国分布 | 本州(関東地方以西)、四国、九州 |
県内分布 | 瀬戸内の島および沿岸部から低山地域に自生 |
開花時期は10~11月で、葉腋に淡黄色の花を数個開きます。グミの花は白く花弁のように見えますがそれは萼筒で、先が4つに裂けているので花弁のように見えます。 ナワシログミの萼筒には4個の稜があり、角ばっています。萼筒の基部で大きくくびれて子房につながっています。 晩秋から初冬に花を付ける樹木は少ないので、冬の時期に花を咲かせる貴重な樹木の1つです。 ツルグミ同様、萼筒の外側には褐色の鱗片が密生していますが、萼筒がツルグミより太いのが特徴です。
近郊の野山、里山に普通に自生しており、グミの仲間では最も多く見かけます。 沿岸地域から丘陵の乾いた林内や林縁、岩場などに自生し、樹高は2.5mになります。 枝は折れにくい。若い枝は褐色の鱗状毛に被われています。小枝は刺に変化しやすく、葉腋にも小さな刺が出ます。
葉身長5~10cmの楕円形の葉です。葉は深緑色をしており、質は革質で光沢があります。葉は互生し、葉の縁は全縁(鋸歯がない)です。 一番の特徴は、葉の縁が波状で少し裏側に巻いており、他のグミとの大きな差別化点です。 所々の葉腋に刺が出ていることも特徴です。
葉の裏は銀色の鱗状毛が密生し、その上に褐色の鱗状毛が点在するので、 全体としては銀色のような色をしているのも特徴の1つです。
果実は約1.5cmの楕円形で、翌年の5月頃熟し、食べることが出来ます。 ナワシログミとツルグミの実は長楕円形の形をしていますが、アキグミは丸い形です。
ツルグミの花期は10~11月で、実は次の年の5月頃オレンジ色に赤く熟します。ナワシログミの方が早く熟します。 一方、アキグミは名前の通り、秋9~11月に赤く熟します。花期は春です。
左がナワシログミ、右がツルグミです。ナワシログミの葉の縁が波打っているのが判ります。逆にツルグミの葉の縁は滑らかです。
左のナワシログミは白っぽい鱗状毛が密生するので、少し褐色を帯びた銀色に見えます。 右のツルグミは三番目に多く見られるグミですが、赤褐色の鱗状毛が多いため、金色に近い色に見え光沢感があります。 グミ類として二番目に多いアキグミの葉の裏は綺麗な銀白色です。