モチノキ(黐の木)(モチノキ科モチノキ属 常緑小高木 雌雄異株)

全国分布 本州、四国、九州、南西諸島
県内分布 瀬戸内の島から沿岸部の常緑広葉樹林に自生

   モチの花は小さくて葉に隠れていることが多く目立ちませんが、真っ赤な実は目立ちます。
   瀬戸内の島から沿岸部の常緑広葉樹林に自生していますが、宮島には自生していません。
   名前の由来:樹皮から鳥もちがとれることから。


雌花 (2018/04/10 市街)

 花は4月頃から咲き始め、花弁は黄緑色で4枚あります。雌雄別株で、雌花は中心部に子房ができるのが特徴で、その周りに4個の退化した雄しべがあります。 一方、雄花には4個の雄しべと退化した雌しべがあります。雄花は未撮です。

 

雌花 (2018/04/10 市街)

実 (2015/10/29 市街)

 果実は直径約1cmの球形で、10月~12月にかけて赤く熟します。 モチノキ科の中では実は大きい方で目立ちまあす。

実 (2017/11/05 山口県 長瀬峡)

 花や実がない時にはサカキやクロキとの区別が厄介ですが、モチノキの冬芽は小型で目立ちません。 サカキの冬芽は長いかぎ状をしており、クロキの冬芽ははっきりとした尖った形をしています。

 

葉 (2012/04/16 市街)

 葉身長4~7cmの楕円形の葉で、質は革質で光沢があります。葉の表裏とものっぺりして葉脈はほとんど見えず、葉先は少し突き出て、 先端は尖らずに鈍い形です。葉の縁は通常全縁(鋸歯がない)ですが、幼木では葉先の半分に小さな鋭い鋸歯が現れます。 モッコクの葉と区別しにくいことがありますが、モッコクは葉柄が赤みを帯びていることと、モッコクの葉は先端に集まる傾向がある点で区別できます。

 

全体 (2014/01/18 市街)

 沿岸地域から低山地域の常緑樹林内に自生し、樹高は大きいものは25mになります。樹皮から鳥餅を作ったのが和名の由来です。 サカキやクロキと違って冬芽は小型で目立ちません。モチノキの原産地は、日本、台湾、中国、朝鮮半島などといわれています。