ミツバアケビ(三葉木通)(アケビ科アケビ属 落葉つる性)

全国分布 北海道、本州、四国、九州
県内分布 各地の林縁、草地に自生

   アケビ同様、広島近郊の野山に普通に見られ、個体数は多い。
   アケビよりかなり濃い色をした紫色の面白い形の花を付けます。
   名前の由来:3枚の小葉があることから。  


花 (2016/04/12 鈴が峯)

 開花時期は4~5月で、葉の間から総状花序を垂れ下げ、濃い紫色の花を開きます。雄花は花序の先に穂状に多数つき、直径4~5mmと小さく、 雌花序は花序の基部に1~3個つき、雄花より大きい。花には花弁はなく、花弁状の萼片が3枚あります。

 

花 (2016/04/12 鈴が峯)

 アケビ同様雌雄同株、雌雄異花ですが、花の大きさや色が全く違います。林縁や明るい林内に生え、つるは右上に巻き、高木にも登ります。 寒さに強いので北海道にも自生します。アケビは北海道にはありません。

雌花 (2016/04/12 鈴が峯)

 雌花は花序の基部に2~3個付けますが、大きさはアケビの半分程度の径1.5cm程で、色はアケビに比べてかなり濃い色で暗紫色をしています。 雌花の花柄は2~4cmと長く、雌しべは3~6個あり円柱形をしています。

 
 

雄花 (2014/04/19 柚木山)

 雄花は花序の先端に10~30個とたくさん付けます。 花の形は面白く、反り返った3枚の萼片と6個の雄しべが球状に集まっています。

実 (2015/06/23 大野権現山)

 果実は長さ約10cmの長楕円形で、10月に熟し紫色を帯び、縦に裂けます。 (参考)ゴヨウアケビはアケビとミツバアケビの自然雑種ですが、果実はできません。

 

葉 (2014/05/15 柚木山)

 葉は3出複葉で、葉柄は2~14cmと長い。小葉は長さ2~6cmの卵形で、縁には波状の鋸歯があることが多い。 葉は互生し、葉の大きさには変異があります。 名前の由来は名称にある通りで、3枚の小葉があるのでミツバアケビと呼ばれています。

葉 (2015/06/23 大野権現山)

 アケビの仲間の小葉の数は、5枚から3枚のいずれかです。 アケビは5枚、ムベも5枚、ゴヨウアケビは基本的には5枚ですが、場合によっては3枚の葉も混じっています。 ゴヨウアケビはアケビととミツバアケビの雑種なので、両者の特徴を併せ持っています。 アケビの葉は全縁でミツバアケビの葉は波状の鋸歯がありますが、ゴヨウアケビは小葉が5枚で波状の鋸歯を持っています。