マタタビ(木天蓼)(マタタビ科マタタビ属 落葉つる性 雌雄異株)

全国分布 北海道、本州、四国、九州
県内分布 瀬戸内の島および沿岸地から低山地域に自生

   広島市近郊の山に自生しており、渓流沿いに多く見られます。
   一部の葉が6月下旬ごろ白くなり、その白くなった葉の裏から覗くと白い花に出会えます。
   名前の由来:虫こぶ型になった実をアイヌ語で「マタタムプ(冬の亀甲)」と呼んでいたから。  


雄花 (2017/06/18 筒賀)

 開花時期は6~7月で、葉腋に芳香のある直径約2cmの白い花を付けます。雄花、雌花、両性花があり、雄花は1~3個、雌花と両性花は1個ずつ付けます。 花が咲くころ、枝先の上半分~大半の葉が白ペンキをぬったように白くなります。白い葉は虫を誘うためのもので、 下から覗くと、下向きに白い花が咲いているのが見られます。全てではないのですが、この白い葉は果実がなるころには元の緑色に戻ります。

両性花 (2017/06/18 筒賀)

 雄花と両性花には花弁がありますが、雌花には花弁はありません。そのため雌花には、後に実となる大きな子房と5裂した萼がしかありません。 短い雄しべの葯が黄色になる他は、雌しべの花柱が放射状に拡がる点などサルナシによく似ていて、マタタビの仲間の特徴です。

雄花 (2017/06/18 筒賀)

葉 (2018/05/31 八幡湿原)

 葉は卵円形で先端は鋭く尖り、基部は浅い心形です。葉の縁には細かい鋸歯があり、互生します。 サルナシの葉とよく似ていますが、葉の形はサルナシの方が円形が強く、サルナシの葉の縁には細くて小さな針のような鋸歯がたくさん並んで付いています。

葉 (2018/05/31 八幡湿原)

 白い葉に隠れるように花を下向きにたくさん付けています。 そして実がなるころには白い葉が緑に戻るそうですが、実際には晩秋以降も白いままの葉が残っているのを見かけます。

 

実 (2017/10/31 極楽寺山)

 果実は長さ3cmの長楕円形で先が細く尖り、10月に黄色に熟します。ネコ科の動物が好みます。

 

実 (2017/10/08 八幡湿原)

 キウイと同属のつる性の樹ですが、実はキウイよりかなり小さい。

 

実 (2017/10/14 家)

 山で採集してきて一週間後には熟した柿のように橙色になりました。