マルバアオダモ(円葉青梻)(モクセイ科トネリコ属 落葉高木 雌雄異株)

                         
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布瀬戸内の島から中国山地まで広く自生
 

   広島市近郊の山に自生していますが、花が咲くころしか目立たない樹木です。
   房状になった白い花が咲いているときは遠方からでもよく見えます。
   名前の由来:マルバは葉が全縁であること。アオダモは枝を浸けると水が青色になるから。  


 

両性花 (2015/04/23 極楽寺山)

 

 開花時期は4~5月で、枝先や葉腋から円錐花序をだし、白い花を多数つけます。マルバアオダモは雌雄異株で、雄花と両性花があります。

両性花 (2018/04/26 柚木城山)

 両性花の花には細長い花弁4枚と黄色の雄しべ2本と赤紫色の柱頭を持つ1本の雌しべがあります。 両性花にある雌しべの柱頭は赤みを帯びているので、両性花はわずかに赤みを帯びた白色に見えます。 真っ白に見えるのは多分雄花だと推察できるかもしれません。

雄花 (2013/05/04 呉娑々宇山)

 雄花には細長い花弁が4枚と雄しべが2本あります。雄花の葯は淡い黄色なので、雄花は遠くから見て花全体が少し黄色を帯びて見えます。

雄花 全体 (2013/05/04 呉娑々宇山)

 アカマツ林や石灰岩地帯にもよく見られ、樹高は5~15mになり、アオダモと混成していることもあります。 マルバアオダモの花は1つ1つの花弁は細くてボリュームはありませんが房状に集まって咲くので樹全体が花に包まれ見ごたえのする樹です。

葉 (2018/04/26 柚木城山)

 葉は長さ10~20cmの奇数羽状複葉で対生し、小葉は普通2対ですが、ときに3対の葉が混じり、基部の小葉ほど丸みが強いことが特徴です。 アオダモ(コバノトネリコ)との区別ですが、マルバアオダモは鋸歯がごく低くて不明瞭ですが、アオダモは細かい鋸歯が明瞭にあります。 マルバアオダモのマルバというのは葉が丸いということではなく、アオダモと違って鋸歯がないという意味です。 また、マルバアオダモは葉質がやや厚くて葉脈がはっきり見えません。

蕾 (2013/05/04 呉娑々宇山)

 平地から山地まで日当たりのよい所によく見られます。広島市近郊の山にもよく自生しています。

実 (2013/06/22 柚木山)

 果実は2~2.7cmの線形の翼果で、ひとつの果序に多数の果実を付けます。 種子は赤褐色に熟し、形は長さ約3cmの倒披針形をしたカエデの様な翼果で風が吹くと飛んでいきます。

樹皮 (2017/05/18 窓が山)

 樹皮は暗灰色で枝は灰褐色をしており、円形の皮目が多い。