クサギ(臭木)(シソ科クサギ属 落葉小高木)

                   
全国分布北海道、本州、四国、九州、沖縄
県内分布広島市近郊の山地や人家周辺、道路脇などにも自生

   野山だけでなく、道端や線路沿いなどのわずかな空き地にも自生する繁殖力の強い樹です。
   花が開く前はピンク色や赤色でカラフルで、花弁は白色でテイカカズラに似ています。
   実は鮮やかな藍色です。
   名前の由来:葉を触ると、一種異様な臭いがするから。   

 

花 (2014/08/16 田方)

 夏の暑い時期(8~9月)に花を付ける数少ない樹木の1つで、枝先の葉腋から長い柄のある集散花序をだし、 白色の花を多数つけます。花は良い香りがします。花弁は5枚で白色、萼は淡いピンク色をしていて、色のコントラストが綺麗です。

花 (2014/08/16 田方)

 クサギの花は可愛らしいのですが、蕾の段階でもきれいなピンク色をしたホオズキの様な5つの稜を持った5角の袋状の形をしています。

花 (2014/08/16 田方)

 温帯の林縁や道端、荒れ地などに自生し、樹高は3~5m、大きいものは9mになります。 アカメガシワやヌルデと同様、先駆樹種の1つと思われます。

花 (2014/09/26 極楽寺山)

 クサギの名前の由来は、葉をちぎると臭い匂いがするので、この名前が付けられたようですが、実際にはそんな悪臭がするということはありません。

実 (2017/11/25 鈴ケ峰)

 クサギの最大の特徴は、花が散った後の果実で大変ユニークで鮮やかな実を付けます。 果実は6~7mmの球形で、10~11月に光沢のある綺麗な藍色に熟します。 澄んだ藍色をした丸い果実を真っ赤な星形の萼が取り巻きます。真紅の萼と藍色の果実のコントラストも美しいです。

実 (2017/11/25 鈴ケ峰)

実 (2016/11/05 茶臼山)

葉 (2018/12/05 鈴ケ峰)

 葉身長8~15cmのハート形で、対生します。 幼木や若木では鈍い鋸歯のある葉が多いのですが、成木では全縁の葉が増えます。 葉柄が5~13cmと長いことも特徴です。