全国分布 | 本州、四国、九州、中国 |
県内分布 | 沿岸部から中国山地まで広く自生 |
開花時期は3~4月のまだ本格的な春にはまだ遠い時期で、葉の展開と同時に小枝の節に散形花序をだし、 淡い黄色の可憐な小さな花を多数つけます。雌雄別株です。 クロモジ同様早春に小さな黄色の花を付けるクロモジ属の仲間は、シロモジ、ダンコウバイ、アブラチャン、ヤマコウバシ、 カナクギノキなどがあり、いずれも花の形態が似ていいるので花だけでは区別が難しいです。
雌雄異株の植物において雌花と雄花が同じような外観のものは、花の中心に雌しべがあるかどうか、 雄しべがたくさん見られるかどうかでほぼ判定できます。
ちなみにクスノキ自体は花の色は黄色ではなく白色で、5月に開花します。 クスノキ科は一般的に良い香りを持つ樹ですが、クロモジはその代表で枝を折るとよい香りがします。 クロモジに含まれる薬効成分が芳香だけでなく、口腔衛生用品の爪楊枝として使われています。
葉身長5~10cmで葉の縁は全縁です。
展開したばかりの葉なので葉全体に毛が生えていますが、この毛は次第になくなり無毛になります。
冬芽は、丸い花芽が葉芽の両側に2個付き、このヤジロベエのような形の冬芽が特徴的です。
クロモジの黄葉は、クロモジ属全ての樹木に共通で、黄金色にかがやき綺麗です。
温帯の山地から丘陵の落葉樹林内に生え、樹高は2~6mになります。 クロモジの種類は多くありますが広島に自生するのは、主にクロモジ、ウスゲクロモジの2種です。 ウスゲクロモジは中国山地などの標高の高い所に自生し、葉が大きくクロモジ、ヒメクロモジの倍ほどあります。 ケクロモジの自生はごく限られおり、ヒメクロモジは過去に標本があるのみで、現在では観察されていないようです。
果実は直径5~6mmの球形で、9~10月に黒く熟します。葉は全縁で互生し、枝先に集まって付きます。
名前の由来は通常緑色の枝が古くなると黒い斑点が出るようになり、この斑点が昔の人は文字に見えることから付けたとされています。 若い枝は黄緑色~暗緑色で黒い斑点が入っています。