クロマツ(黒松)(マツ科マツ属 常緑高木)

                   
全国分布本州、四国、九州
県内分布沿岸部から中国山地まで自生

   通常、クロマツは沿岸地域に多く自生していますが、中国山地にもわずかに自生しています。
   クロマツはアカマツに比べて生命力が強く、海岸の砂地でもよく成長し、虫害も少ない。
   名前の由来:アカマツと比較して、幹の樹皮が黒褐色である松であることから。  


花(雄花) (2012/04/16 市街)

 開花時期は4~5月で、雌雄同株です。アカマツと同じように雄花は新枝の基部に長楕円状で柱形の淡黄色の花を多数つけます。 雄花には多数の雄しべがらせん状に付き、大量の花粉を出します。 雌花は新枝の先端に、ほぼ球形の赤っぽい花を2個ほど付けます。

葉 (2014/08/23 宮島)

 葉は2個ずつ束生し、長さ5~16cmの針状でアカマツより硬く、葉先に触れると痛い。 アカマツとの区別点は、葉がアカマツより太いことと、樹皮がアカマツより黒っぽいことです。

実 (2014/08/23 宮島)

 果実は長さ5~7cmの卵状円錐形の球果(松ぼっくり)で、翼年の10月頃に成熟します。

全体 (2014/08/23 宮島)

 砂浜に続く海岸に多く、タブノキ、エノキなどと自生しています。潮風に対する抵抗性が強い。 広島県では宮島など島の沿岸地域によく見られます。 本来の生育地は海岸の岩石地で、波浪が少ない瀬戸内海では海岸部までアカマツが優占し、クロマツは少ない。 そのため、広島県のクロマツは風衝山地の方が多い傾向がある。沿岸部に多い傾向ですが、中国山地の高所にも少し生育しています。 日本海・太平洋沿岸の砂丘海岸のクロマツ林は防風・防砂林として植栽されたもので、広島県にはごく小規模のものがあります。 樹皮は灰黒色で、幼木では浅く裂けるが、老木になると深い亀甲状に裂け目ができ、やや不規則な鱗片となって剥がれ落ちる。

全体 (2017/04/19 金沢 兼六園)

 樹皮は灰黒色で、幼木では浅く裂けますが、老木になると深い亀甲状に裂け目ができ、やや不規則な鱗片となって剥がれ落ちます。 温暖帯の海岸の岩場や砂浜、沿海の低山に広く自生し、樹高は大きいもので40mに達します。 クロマツの自生地は海辺や砂浜に続く海岸沿いで、三大松原(美保の松原、気比の松原、虹の松原)は全てクロマツです。 日本三景も海岸沿いや島なので松原はずべてクロマツです。アカマツより大気汚染に強く、潮風に対する抵抗力も強い。 タブノキやエノキなどと同じような場所に生えることが多い。