全国分布 | 本州(神津島、愛知県以西)、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 沿岸部から瀬戸内の島に自生 |
開花時期は3月下旬から4月上旬で、葉腋に白い花をたくさん付けます。広島県のハイノキ属としては最も早く花を付けます。
この樹は既に1月末から咲き始めていた奇形の花です。正常の花と比べて花弁、雄しべ、雌しべがはっきりせず、 色も白ではなく紫色をしていました。
この樹の花も正常な花ではなく、花弁は比較的はっきりしていますが、雄しべと雌しべが正常ではありません。
秋に果実は黒く熟します。枝先に三角形の尖った冬芽があります。
葉は長さ4~7cmの楕円形で、縁には波状の鋸歯がまばらにありますが、時に全縁の葉もあります。 黄緑色の枝に楕円形の革質の葉を付けるところがモチノキ科のモチノキの葉やマサキの葉に似ていますがクロキの枝には顕著な稜があります。 葉は革質で表面には光沢があり、互生します。
本来はシイノキなどの常緑広葉樹林の構成要素ですが、アカマツ林などにも多く生育しています。 海岸近くの照葉樹林に多く、樹高は12mに達します。広島市近郊の山にも多く自生しています。
樹皮は暗褐色で和名の由来となっており、平滑で縦に筋が入ってます。 宮島にはクロキの仲間であるミミズバイ、クロバイ、シロバイ、カンザブロウノキ、ハイノキなどのハイノキ属が多く生育しています。 その中でクロキは台湾から琉球列島を経由して九州全域に分布していますが、四国ではまれで、中国地方ではの西半分にしか分布していません。 全国的にみると珍しい樹木です。