コクサギ(小臭木)(ミカン科コクサギ属 雌雄異株 落葉低木)

                   
全国分布本州、四国、九州
県内分布主として低山地域に自生
 

   広島市近郊にも自生しているようなのですが、広島での観察はまだできていません。
   葉が片側に2枚づつ交互に付ける特徴のある樹です。見栄えのしない緑がかった花を付けます。
   名前の由来:木全体に臭気があり、クマツヅラ科のクサギより小型の木であることから。  


雌花 (2017/04/21 福井県 小浜市)

 開花時期は4~5月で、葉が伸びきらないうちに葉腋に黄緑色の小さな花を咲かせます。 雌雄異株で、雌花は短い柄の先に1個ずつ付け、雄花は総状花序に10個ぐらい付けます。ます。 花弁も萼片も共に4枚でうすい黄緑色をしています。

 

雌花 (2017/04/21 福井県 小浜市)

 この写真も雌花です。残念ですがまだ雄花は観察できていません。 果実は4個の分果に分かれ、分果は直径約1cmの特徴のある腎形です。 7~10月に褐色に熟すと2裂し、その反動で黒い種子を弾き飛ばします。

 

全体 (2017/04/21 福井県 小浜市)

 丘陵から山地の沢沿いの林内や岩場などに自生し、樹高は1.5~3mになります。沢に沿って歩けばよく見られるようです。 名前の由来は、全体に臭気があり、同様に臭気のあるクサギより小形であることから付けられました。 ケヤキとの結びつきが強く、コクサギーケヤキ群集の標徴種です。

葉 (2014/10/26 岡山県 神庭の滝)

 葉は基部になるに従い細くなり、先端に近い所が幅が最も広いサジの様な形で、縁は全縁です。 葉の表は光沢がありますが、葉脈が窪んで網目状の皺が目立ちます。葉は秋に渋く紅葉します。 葉だけでなく、冬芽も2個ずつ枝に互生して付けるのが特徴の1つです。

葉 (2014/10/26 岡山県 神庭の滝)

 葉が枝に左右に2枚ずつ互生することが大きな特徴で、コクサギ型葉序と呼ばれます。 コクサギ型葉序は、他にクロウメモドキ科、サルスベリ類、ヤブニッケイなど少数しか見られません。