コハウチワカエデ(小羽団扇楓)(ムクロジ科カエデ属 落葉高木)

                   
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布低山地域から中国山地に広く分布
 

   広島市近隣の山では見られませんが、多少標高の高い山地や渓谷でよく見られます。
   カエデの仲間では個体数が多く、新緑は鮮やかです。また、秋の真っ赤な紅葉も綺麗です。
   名前の由来:葉が天狗のうちわに似た形で、ハウチワカエデに比べ小型であることから。  


花 (2017/05/05 温井ダム)

 開花時期は5~6月で、本年枝の先に散房花序をだし、淡黄色の小さな花を多数開きます。 雌雄同株で、雄花と両性花があります。花序は垂れ下がります。花や若葉は綿毛に覆われて白っぽく見えます。 果実は6~9月に熟し、翼はほぼ水平に開きます。

葉 (2014/05/15 大野権現山)

 葉身長5~8cmで、掌状に5~11裂します。縁には鋭い単鋸歯または重鋸歯があります。 葉の大きさはイロハモミジと同じくらいですが、切れ込み数が多いことが大きな差別化点です。 また、全体的に丸い葉形で、切れ込みはイロハモミジほど深くありません。 オオモミジやイロハモミジの葉と異なり、裂片の先は尾状に長くは伸びません。 葉柄や枝に毛が多く、葉柄の長さが葉身の3分の2以上と長いことが特徴です。

新緑 (2014/05/15 大野権現山)

 冷温帯の山地から丘陵のミズナラ、ブナ、クリなどの林内に自生し、樹高は約10mになります。とくにブナ林に多く生育しています。

紅葉 (2018/10/29 大分県 九重)

紅葉 (2017/11/10 大分県 九重)

紅葉 (2014/11/03 石ケ谷峡)