全国分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
県内分布 | 中国山地、世羅台地の山地に自生 |
花期は3~4月で、枝先に直径6~10cmの芳香のある白モクレンに似た少し小ぶりの白い花を付けます。 外側の花被片3個は線形で目立たず、内側の6個は大きくて花弁状をしています。 3月下旬、近郊の山にコブシによく似た白い花を付けた樹が結構たくさん見られますが、殆どコブシではなくタムシバだと思います。 西日本ではコブシの自生は少ないとのことですが、八幡湿原には多く自生していました。
コブシの花弁は6枚で白色、萼は3枚で緑色をしています。 コブシの花はタムシバとそっくりですが、コブシは花が開いたときに花の下に小さい葉が一枚付いています。 一方、タムシバは花が開いたときに葉は全くついていないので、両者を区別することができます。 また、日本産ではないハクモクレンにも葉は付いていないのでコブシとの区別は容易です。 よく似た花のハクモクレンは萼の3枚も白色なので花弁が9枚あるように見えるので、コブシより豪華に見えます。 ちなみにシデコブシの花弁は12~18枚ありますが花弁も萼も細長い。
タムシバとの差別化点は、①コブシには花のすぐ下に小形の葉が一枚付いていますがタムシバにはありません。 ②葉の形が異なり、タムシバの方がコブシより細長い点です。
落葉樹林内や湿った場所に生育し、樹高は5~18mになります。関東では低地にも多く生育していますが、 西日本ではあまり多くは自生していません。
コブシやタムシバの実は細長いいびつな袋状の形をした中に詰められており、赤い色をしているので遠くからでもよく目立ちます。 実は7~10cmの集合果でこぶが多く、9~10月に熟すと袋果が裂け赤色の種子を白い糸で吊り下げます。 名前の由来は実が拳のような形をしていることから付けられたようです。
葉身長6~15cmの比較的大きな葉で縁は全縁で、波打ち、表面は葉脈の網目が小じわとなって見えます。 葉は倒卵形でタムシバの様に細長くありません。
枝を一周する托葉痕や、毛に覆われる花芽で確認できます。