キャラボク(伽羅木)(イチイ科イチイ属 常緑低木)

                   
全国分布本州(秋田県~山口県の日本海側)、朝鮮
県内分布備北山地の風衝地に自生
 

   イチイ科の中では唯一線形の葉が輪生に付きます。秋になる赤い実が可愛らしい。
   通常日本海側の寒冷地の山に自生し、広島県では県境の備北山地で見られます。
   名前の由来:材がジンチョウゲ科ジンコウ属、キャラ(伽羅)に似た香りがすることから。  


実 (2015/09/21 鳥取県 大山)

 実は3~4cmの球形で仮種皮に包まれています。秋に熟すと仮種皮は紅色になります。仮種皮は甘くて食べられますが、種子は有毒です。 花期は3~5月で雌雄異株です。花も果実もイチイに似ています。雄花は淡黄色で雌花には緑色の鱗片に包まれた胚珠が1個あります。

葉 (2015/09/21 鳥取県 大山)

 葉は長さ1.5~2.3cmの線形でイチイに似ていますが、イチイのように2列にならず、やや輪生に並びます。

全体 (2015/09/21 鳥取県 大山)

 日本海側の高山や深山に自生し、樹高は1~2mになります。ハイマツと同様、風当たりの強い尾根に生えます。

  

樹皮 (2018/10/14 吾妻山)

 鳥取県大山の山頂付近には群落があり、「ダイセンキャラボクの純林」として国の天然記念物に指定されています。 古くなるとイチイと同じように赤褐色になる。