キシツツジ(岸躑躅)(ツツジ科ツツジ属 常緑低木)

 
                 
全国分布本州(兵庫県以西)、四国、九州
県内分布広島の大きな河川の川岸、三次盆地の山林に自生  
 

   自生地域は少ないようですが、三段峡ではたくさん自生しています。
   ツツジの仲間としては細長い葉をしていることが特徴で、鮮やかなピンク色の花を付けます。
   名前の由来:名前の通り川岸に自生することから。  


 

花 (2015/05/05 石ケ谷峡)

 

 開花時期は4~5月で、葉の展開と同時に枝先に淡いピンク色の大型の花を2~3個付けます。 紅色の斑点があり、雄しべは10個、雌しべは1個です。 (未観察ですが)果実は約1cmの長卵形で、萼片に包まれ、褐色の毛が密生していて8~10月に熟します。

 

花 (2018/05/10 三段峡)

 

 芦田川、江の川、太田川、小瀬川など、大きな河川の川岸や渓谷の岩場などに自生し、樹高は1~1.5mになります。 島根県の匹見峡にもたくさん見られます。西日本の川岸に自生するツツジです。 三次盆地の周辺では山地の森林にも自生し、大土山の山頂800mまで生育しています。

 

花 (2018/05/10 三段峡)

 

 本種は四国と岡山県以西の中国地方、大分県の一部に知られ、その分布域が狭く貴重種です。モチツツジは本種に似ていますが、 雄しべが5本(キシツツジは10本)です。また、広島県からはモチツツジの自生は見つかっていません。

 

花 (2018/05/10 三段峡)

 

 
 

春葉 (2015/05/05 石ケ谷峡)

 

 春葉は3~5cmの細長い楕円形で両端が尖り、両面に長毛が多く生えています。 葉の縁は全縁で互生します。

 

夏葉 (2019/03/26 石ケ谷峡)

 

 夏葉は小さくて質は厚く越冬します。